元NHKエース・和久田アナ「news LOG」は難敵「Nキャス」を崩せるのか…日テレ・エース演出家の逆襲
Nキャスも警戒
迎え撃つ「ニュースキャスター」は余裕たっぷりかというと、そうでもないようだ。 放送日の土曜午後7時前には番組の大型告知を流し始めた。警戒感が伝わってくる。
日テレ報道の取材力はTBS報道と双璧で民放屈指。そのうえ番組の総監督(総合演出)が侮れる人ではないからだろう。その人とは日テレ元上席執行役員で演出家の五味一男氏(69)である。
五味氏は「マジカル頭脳パワー!!」(1990年)、「投稿!特ホウ王国」(96年)、「エンタの神様」(2003年)など数々の高視聴率番組をつくり、日テレをトップ集団に押し上げた立て役者である。
番組を他局より数分早く始めるフライングスタートを考え出したのもこの人。92年、マンネリで低迷していた「24時間テレビ」にマラソンを採り入れ、視聴率をV字回復させたのも五味氏だ。
福田博之社長にとっては強い日テレを共につくり上げた盟友。既に退社していた五味氏に「news LOG」を託したのは福田氏の意向でもある。最初から長期戦を想定し、勝つまでやることを念頭に置いているという。やはり「ニュースキャスター」は嫌だろう。
無敵状態の「ニュースキャスター」にも不安要素はある。日テレ出身の福留功男(84)がMCだった前身の情報番組「ブロードキャスター」(1991~2008年)の時代から、中身が大筋で変わっていないのだ。視聴者が「古い」と感じ始めたら、ひとたまりもない。
番組の柱はずっと週間ニュースランキングである。これ自体にも危うさがある。TBSは週末、4つの報道・情報番組が1週間のニュースの振り返りを柱にしている。報道番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)と情報番組「サンデージャポン」(同9時54分)、さらに4月から始まった同「上田晋也のサンデーQ」(同11時35分)である。さすがに多い。食傷する視聴者もいるのではないか。
「ニュースキャスター」は1週間の振り返りが柱である分、独自ニュースが少ない。ここが「news LOG」の付け入る隙である。視聴者が飛びつく骨太の独自ニュースをぶつければいい。
そんなことはプロである「「news LOG」のスタッフだって百も承知だから、芸能やグルメは一切やらず、ニュース1本で勝負している。9日放送では福島県で起きた高校の部活動のバス事故、16日放送では栃木県で発生した高校生たちによる強盗殺人事件、23日放送ではナフサ・ショックの裏側を取り上げた。
だが、まだ弱い。物足りない。日テレ報道は長らく庶民派だった。事件に強く、オウム事件摘発時(1995年)には全マスコミをリードしたくらい。各新聞は日テレのニュースの引用だらけになった。
忘れられつつあるが、坂本堤弁護士一家の3人が惨殺される結果になってしまったTBS情報局によるオウムビデオ問題(1989年発生、95年発覚)をスクープしたのも日テレ報道である。テレビ史上、最大で最悪の不祥事だった。
消えてしまった坂本さん一家を年老いた両親や友人たちが不眠不休で探していたにもかかわらず、TBSのスタッフはオウム真理教幹部に坂本さんのインタビュービデオを見せたことを伏せていた。
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