「戦国東都」を席巻した“予想外の本塁打王” 立正大・高田庵冬と国学院大・石野蓮授、恩師が語る急成長の理由
“東都の春”を席巻したのは、開幕前には本命視されていなかった2人のスラッガーだった。
立正大の1年生・高田庵冬(三塁手・仙台育英)は、東都大学一部の1年春新記録となる5本塁打をマーク。国学院大の3年生・石野蓮授(外野手・報徳学園)も、昨年までの4シーズンでは通算1本塁打ながら、この春だけで5本塁打を放ち、2人で本塁打王を分け合った。【西尾典文/野球ライター】
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早くから“本命”と見られていた選手ではない。それでも、大学野球最高峰のリーグで結果を残した背景には何があったのか。2人の恩師の証言から、その急成長の理由を探る。
高田は開幕週の東洋大との3試合で2本塁打を放つと、4月15日の国学院大戦ではセンターとライトに1本ずつ放り込み、5試合で4本塁打と量産した。その後は厳しいマークに苦しんだが、最終戦となった5月22日の亜細亜大戦でもレフトスタンドに叩き込み、合計5本塁打で本塁打王に輝いた。
ちなみに、東都大学一部の1年春での5本塁打は、1993年の東洋大・今岡誠(元・阪神、ロッテ)と2021年の青山学院大・佐々木泰(現・広島)の4本塁打を上回る新記録である。
高田は滋賀県出身で、小学時代は強豪として知られる多賀少年野球クラブでプレーしている。滋賀野洲ボーイズ時代は、横浜高校のエースとして活躍した奥村頼人(2025年ロッテ3位)とチームメイトだった。
仙台育英に進学後も、その長打力は評判となり、3年夏に出場した甲子園でも本塁打を放っている。しかし、昨年のドラフトではプロ志望届を提出しながら指名漏れとなり、立正大へ進学した。
指名漏れとなった理由、そして1年春からこれだけの活躍を見せられた点について、仙台育英で高田を指導した須江航監督に話を聞くと、こう話してくれた。
「変化球に対して脆い印象があるかもしれませんが、実は高校時代に課題となっていたのはストレートへの対応です。速いストレートをなかなかとらえられなかった。飛ばす力は抜群でしたので、スカウトの方にも『宝くじが当たれば、みたいなつもりでどうですか?』などと話していました。春の映像を見る限り、速いボールも打てていますので、ストレートへの対応が成長したのだと思います。下位打線で気楽に打たせてもらえれば面白いなとは思いましたが、5本も打つとはさすがにビックリですね。立正大の金剛弘樹監督が我慢して使ってくださったおかげです。
我慢して使ってもらえるのも、しっかり動けてサードを守れるというのが大きいと思いますね。秋はさらに厳しくマークされるので苦しむと思いますが、それを乗り越えていってもらいたいです」
NPB球団のスカウトも「まだまだ穴は多いですけど、飛ばす力は本当に凄いです」と話しており、一躍、大学球界でも注目のスラッガーとなったことは間違いない。
東都大学一部の通算本塁打記録は、井口資仁(青山学院大、元ダイエーなど)が持つ24本塁打。高田がその記録にどこまで迫れるかは、今後の大学野球界における大きな注目ポイントとなりそうだ。
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