巨人に現れた「雑草コンビ」の正体 竹丸和幸と平山功太、無名時代からの“逆転人生”

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自ら応募して合格を勝ち取った

 一方、野手で日に日に存在感を増しているのが、3年目の平山功太だ。

 4月5日に育成選手から支配下登録されると、25日のDeNA戦ではプロ初本塁打を記録。その後は外野の一角としてスタメン出場が増え、5月19日のヤクルト戦でも先頭打者本塁打を放った。ここまで23試合に出場し、20安打、2本塁打、9打点、打率.278という成績を残している(成績は5月20日時点)。

 そんな平山も、竹丸と同じく、これまでの道のりは順風満帆ではなかった。

 瀬戸内時代は中軸を任されていたが、甲子園や全国大会の出場経験はない。環太平洋大進学後、1年春から3本の本塁打を放ち、全日本大学野球選手権にも7番、ライトで出場した。しかし、チームの環境になじむことができず、1年で大学を中退する。

 そのまま野球から離れるつもりだったが、周囲の勧めもあって、2023年からスタートしたベイサイドリーグの千葉スカイセイラーズに入団することになった。

 千葉では40試合に出場し、45安打、4本塁打、23盗塁、打率.319を記録。MVP、本塁打王、盗塁王に輝いた。ただ、ベイサイドリーグが行われたのはこの年限りで、リーグのレベルも決して高くない。ドラフト会議前の平山の知名度は、決して高くなかった。

 最終的にこの年の育成ドラフト7位で巨人から指名を受けたが、それも自らの行動で勝ち取ったものだったという。

「巨人では毎年入団テストを行っていますが、合格レベルに達するような選手は、スカウトから声をかけて受験を促したケースが大半です。ただ、平山はそうではなく、自ら応募して合格を勝ち取ったと聞きました。入団した時は19歳でしたが、体が大きくて飛ばす力も脚力もある。これは掘り出し物だということで、1年目から三軍でも積極的に起用され、結果も残しました。打撃も走塁も思い切りの良さがあるのがいいですね」(巨人球団関係者)

 巨人の外野陣はキャベッジが不動のレギュラーとなっているものの、FAで今季から加入した松本剛や丸佳浩といった実績のある選手は不振。期待されていた中山礼都、浅野翔吾、萩尾匡也ら若手も足踏みが続いている。

 その間を縫って、平山がこのまま定位置を獲得する可能性も十分にありそうだ。

 竹丸も平山も、順風満帆な道のりを歩んできたわけではない。高校、大学、社会人、独立リーグ。遠回りをしながら、それぞれの場所でチャンスをつかみ、ようやくプロの舞台で居場所を作りつつある。

 巨人はこれまでも、スター選手の力で勝ってきた球団という印象が強い。だが、長いシーズンを戦ううえで、チームを押し上げるのは名前のある選手だけではない。一度は埋もれかけた2人が、巨人の浮上をどこまで支えるのか。竹丸と平山の存在は、今年の巨人に生まれた新しい見どころになっている。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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