「“背広組”フロントの力が強すぎて…」 「山本祐大」トレードだけではない「DeNA」の不可解すぎる編成戦略 「ビシエド」も引退 中心選手の相次ぐ離脱で「暗黒時代に再突入」の懸念も
久々に誕生した大黒柱
DeNAは昨年シーズン途中に藤浪晋太郎、ビシエド、フォードを緊急補強。制球難の藤浪に関してAIを駆使して改善に自信を見せていたが解消できず、今年は開幕からファーム暮らしが続いている。昨オフには攻守の中心選手だった桑原将志がFA権を行使して西武へ、伊藤光も出場機会を求めて楽天にFA移籍した。影響力の大きい選手が次々にチームから去っていく。そして、山本祐もまさかの形でトレード放出された。
松尾に掛かる期待は大きいが、正捕手が抜けてチームが一気に弱体化したケースが過去に何度もあった。DeNAの前身・横浜時代に谷繁元信がFAで流出したことにより、暗黒時代に突入したことを記憶しているファンは多いだろう。正捕手に成長した谷繁は1998年に38年ぶりのリーグ優勝、日本一に導き、その後のシーズンもAクラス入りしていたが当時の森祇晶監督とソリが合わず、01年オフに中日にFA移籍。横浜は02年以降の10年間で8度の最下位と暗黒時代が続いた。一方で谷繁を正捕手に据えた中日は落合博満監督の下で黄金時代に。当時の横浜でプレーした球団OBは、
「シゲがいなくなって、チームがガタガタになりましたね。捕手の若返りがうまくいかず、投手が育たない。『グラウンド上の司令塔』と呼ばれるポジションの重大性を痛感しました。捕手は数値化したデータだけでは測れない影響力がある。レギュラーは明け渡すものでなく、奪い取るものです。シゲがいなくなって以後、横浜の捕手として初めてベストナインやゴールデングラブ賞を受賞するなど、久々に誕生した大黒柱が山本祐大でした。まさかトレードで手放すとは思わなかったですけどね。再び暗黒期に突入しなければいいですが……」
と懸念する。
24日には昨夏に獲得したばかりのビシエドが、わずか1年足らずで引退するという異例の事態が起きた。
続く「山本ロス」
DeNAでは、近年、現場に対してフロントの権限が強まっている。今回の件を受けても、2018年まで編成のトップを務めていた高田繁GMの時代であれば、藤浪は絶対に取らなかったし、山本も出さなかったはず、との声が聞こえてくる。そうした評判は球界に広がっていて、DeNAでの指導者就任に二の足を踏む元選手も出ているほどだ。ちなみに高田氏より後のDeNA編成トップはみな、選手OBではない、親会社から出向してきたなどの「背広組」だ。
フロントが主導にしてチーム編成を行うことは理解できる。現場の監督が代わるたびに強化方針が変わっていてはチーム作りがブレてしまう。ただ、現場の首脳陣、選手たちが理解に苦しみ、士気を下げるような戦力刷新は本末転倒だ。山本祐がトレード移籍してから数日後、DeNAのあるコーチは「選手たちは簡単に気持ちを切り替えられないですよ。それぐらいショックが大きい」と胸中を察していた。
24日現在、借金2の4位と低迷するDeNA。ファンの間でも「山本祐大ロス」が続いている。松尾が正捕手として一本立ちし、トレードで獲得した尾形、井上が活躍する青写真は実現するか。
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