“移民問題”の議論が白熱する一方で…ネットニュース編集者が首を傾げる「ネトウヨはどこに行ったのか?」

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 ネットニュースの編集者として、この20年、日々ネットを見続けているが、いわゆる「ネトウヨ」の存在感が全盛期と比べると随分と弱くなっていると感じる。ネット上で彼らが話題になることはほとんどないし、その言葉さえもはや忘れられつつある。

 一体なぜ「ネトウヨ」は消えつつあるのか。それは、昨今の世界情勢と大いに関係している。ネトウヨの多くは「韓国憎し」「在日コリアン憎し」という考えが行動の原動力であり、彼らの動きは、とりわけ日韓関係と大いに密接しているのだ。現在、韓国と在日コリアンのニュースが減っている中、抗議行動や、ネットで過激な発言をする理由がなくなっているのである。【中川淳一郎・ネットニュース編集者】

よく分からない主張

 昨今、クルド人とアフリカ系移民の排斥を訴える人々も増えている。が、「伝統的ネトウヨ」は、屈強そうな彼らを恐れてなのかは分からぬが、路上で彼らに対してヘイトスピーチなどすることは滅多にない。ネトウヨがかつて、新大久保や大阪・鶴橋等でヘイトスピーチを堂々とできていたのは、攻撃対象が、女性や子供など、自らよりも立場が弱い人々が多かったというのは大きいだろう。

 私は2013年に『ネット右翼の矛盾』という書籍を共著で執筆したが、執筆しながら、「ネット右翼」という言葉に常に違和感を覚え続けていた。「右翼じゃなくて単なる韓国嫌いの人々なんじゃないかな……」と。別に保守派じゃないじゃん? と。

 彼らは、「在日コリアンと媚韓議員、そして韓国系企業により日本人が虐げられている」という論を展開するのだが、彼らの主張が妙なのである。まず、マスメディアに韓国系が潜入している、と主張するのだ。また、朝日新聞本社の中に東亜日報が入っているから朝日は韓国のスパイを引き入れている、となる。いや、ニューヨーク・タイムズも朝日の本社にあるのだが……。

 もちろん従軍慰安婦関連の誤報など、朝日新聞の主張に韓国寄りのきらいがあることは認める人も多かろう。だが、メディアに「在日枠」が存在する、という主張は本当によく分からない。多様な人材を採るということで、外国人枠がある会社は聞いたことがあるが、基本、試験と面接で入るものであるし、メディアのそれは偏っていない。私は1997年にメディア企業の一端を担う博報堂に入ったが、同期で外国人はインド人の男性が一人いるだけだった。

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