“移民問題”の議論が白熱する一方で…ネットニュース編集者が首を傾げる「ネトウヨはどこに行ったのか?」
「キムチ鍋が1位」に激怒
ネトウヨが一番元気だったのは、2011年頃である。在特会(在日特権を許さない市民の会)がしきりと新大久保等で排斥的なスピーチとコールをしていた。東日本大震災では「韓国人窃盗団が被災地に現れた」というデマも流れた。2011年8月7日と21日に「韓国コンテンツが多過ぎる」として、フジテレビに対してデモが発生したのもこの時期だ。21日には3500人規模のデモとなった。
私自身が取材したフジテレビデモのコールを振り返ってみよう。これは8月7日のもので、私がメモしたものをジャーナリストの津田大介氏がXで再現したものである。
日本人は怒ってるぞ!/フジテレビから放送免許を剥奪せよ!/ネット民は怒ってるぞ!/売国奴!売国奴!/(デモの申請してないので)お散歩独り言オフだぞ!/売国奴は韓国に帰れ!/電波を返せ!/くたばれフジテレビ!/反日放送局のフジテレビー/日本のドラマを見せろー!/売国放送局のフジテレビー/なめんじゃねーぞバカ野郎!/フジテレビの教育に良くない!/売国テレビ!/韓流なんてだいっきらい!/純ニッポンです。日本人ばんざーい!韓国のごり押しやめろ!/ここは韓国じゃありません!/金儲けのために不正な報道するのやめろ!/ネットはリアルを変える!なんで、みんな来いよ!/無理矢理作られた韓流ブームはいらない!/ノーモア韓流!(←「のーもあはんりゅう」と連呼してたら中から「『かんりゅう』って言え!」とツッコミが入った)/最後に日本国民として国歌斉唱で占めたいと思いますがいかがでしょうか!/天皇陛下ばんざーい!
また、8月21日に第二回が行われた時のコールはコレだ。
「フジテレビは偏向報道をやめろ!」
「我々はK-POPなんて聞きたくない!」
「フジテレビは日の丸・君が代をカットするな!」
「フジテレビは放送法の違反をするな!」
「フジテレビは電波免許を返上しろ!」
「フジテレビは公共の電波を利用し、グループ会社だけが儲かる仕組みを作った!」
「フジテレビと番組スポンサーは同罪だ!」
「我々はフジテレビスポンサーの不買運動を継続するぞ!」
この時は、フジテレビがサッカー代表選を「韓日戦」と記したことや、「好きな鍋ランキングの1位がキムチ鍋だったこと」などを「韓国に支配されている根拠である」とするビラも大量にまかれた。
世界情勢の混沌が…
ドナルド・トランプという強大な影響力を持つ大統領がアメリカに誕生したため、世界中が混乱に陥り、日本のメディアも韓国事情を報じる余裕がなくなっていった。そのため、ネトウヨにとっての「養分」がなくなっていったのである。また、昨今クルド人やアフリカ系、ベトナム系の狼藉が取り上げられることも増えており、元々「韓国・在日憎し」のネトウヨがどのように接すれば良いのかがわからなくなっているのだ。
なにしろ2010年代前半、中東系やベトナム系はネトウヨからすると「韓国人より礼儀が正しい」的な扱いになっており、味方扱いをしていたのだから。「我々は(中韓を中心とした)反日外国人が許せないだけで、日本を好きな外国人は歓迎する」的な論説もあった。
上記フジテレビデモの主張の内容を見ても「ボク達の大好きな日本のコンテンツを見せてください~!」というテレビっ子のワガママのようなものであり、そこには日本を憂う国士様の姿はない。
ウクライナやロシアやイスラエル、イラン問題についても特に知識がないからこそ、ある時は一定の勢力を誇ったネトウヨ各氏も国士としての声をあげられない状況にあるのではなかろうか? 韓国憎しの論調を信じすぎたあまりの現在のおとなしい状況であると、ネトウヨウオッチャーだった私自身は見ている。世界情勢が混沌とし、韓国情報が減ると、ネトウヨの養分が失われるのである。














