「認知症が進行した安岡に酒を飲ませ『結婚誓約書』を書かせ…」 『地獄に堕ちるわよ』が描かない細木数子のもう一つの顔 「島倉千代子を『食い物』のように搾取」

エンタメ

  • ブックマーク

細木家の墓の不思議

 吉田茂や池田勇人、佐藤栄作など歴代首相の「指南役」とされた安岡氏と細木氏の距離が急速に縮まったのは83年。安岡氏が死去したのと同じ年だ。

「当時、認知症が進行していた安岡に酒をたらふく飲ませて籠絡。彼が所有していた本や掛け軸を自分のものとし、“結婚誓約書”まで書かせたというのが、騒動の顛末です。安岡の死後、遺族が調停を申し立て、婚姻は無効とされました。ドラマでは触れられていませんが、実は安岡のところから持ち出した本や掛け軸の一部を、細木は山口組5代目組長・渡辺芳則にも渡していたのです。安岡への接近は、彼女の“男はカネづる”という人生観を最も如実に表したエピソードです」(溝口氏)

 溝口氏の著作は「週刊現代」での連載がベースとなったが、連載が始まるや、細木氏側は版元の講談社に対し、6億円の損害賠償を求める訴訟を提起。裁判は最終的に細木氏が訴えを取り下げ、溝口氏側の実質勝訴に終わるが、これを機に彼女は表舞台から姿を消すことになった。

 細木氏が没したのは21年。現在、細木家の墓は都内・多摩地区の寺の一画にある。その右隣には小金井一家の歴代総長の墓が並び、細木家の墓の後方には堀尾昌志氏の墓が立っている。

 両者の深い関係を今に伝えているかと思いきや、親族の一人が言うには、

「多摩の墓に数子の実母や兄たちは眠っていますが、彼女のお骨はありません。堀尾さんのお墓をここに造ったのも、歴代総長の墓を移してきたのも数子です。でも堀尾さんが92年に亡くなって以降、数子がお墓参りに来たことはないそうです。あの世でも一緒になるつもりはなかったということでしょうかね」

 定期的に掃除やお参りに訪れているのは小金井一家の関係者のみで、細木氏の兄弟が姿を見せたこともないという。

「エンタメ作品として消費される危うさ」

 一方で、溝口氏は、

「ドラマが無邪気にエンタメ作品として消費されていることに、一抹の危うさを感じます。ヤクザとの交際や強欲さだけではありません。細木の代名詞である六星占術に関しても、実際は占い師・神煕玲(じんきれい)から剽窃(ひょうせつ)したものです。彼女がドラマを見たら、さぞ悔しがることでしょう。司法的には、私の書いたことが事実だと認められてなお、彼女の実像を正面から描こうとしなかったのはなぜなのか。細木がテレビやメディアでもてはやされた当時の胡乱(うろん)な空気がいま再び、日本社会にまん延しているような気がしてなりません」

 秘された部分にも思いをはせて見れば、よりドラマは面白くなる。

関連記事【「細木数子」がテレビから姿を消した本当の理由 島倉千代子の「16億円借金」をめぐる“トラブル”が… 「反社との交流も明るみに」〈地獄に堕ちるわよ〉】では、細木氏と島倉千代子さんの「16億円借金」を巡るトラブルについて、より詳しく報じている。

週刊新潮 2026年5月21日号掲載

特集「ドラマ『地獄に堕ちるわよ』細木数子の壮絶人生で封印された部分」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。