気がつけば“オンライン会議”離れが加速していた…企業の“対面”回帰はなぜ起きているのか

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課金をやめる流れに

 また、事務系の職業であっても、外食産業やメーカーなどでは、本社の従業員が、各店舗や製造工場を直接訪れ、様々なことを確認する必要が生じる。当然ながらオンラインでは対応できないことは多々あり、いつしか「そろそろ対面に戻そう」という流れが加速し、2024年になると冒頭で述べたように対面に戻っていったのだろう。

 そうなると、オンライン会議にかかる課金をやめる流れになっていく。例えばZoomの場合、課金すると40分の制限時間が最大30時間になり、さらに、会議内容をクラウドへ保存できるようにもなる。また、字幕機能の追加や、最大100人の参加も可能に。会議が途中で強制終了されることを回避できるし、ウェビナー(ウェブセミナー)の主催すらできるようになるという仕様だ。

 このような課金のメリットは「人と人の接触を減らす」時代には存分にあったが、2024年以降、対面が増えたことと、オンライン会議を煩わしく感じる人が増えたことからそのメリットが減少。千葉県在住の30代フリーランスの男性編集者は、こう語る。

「こちらから取材のお願いをし、時間を取ってもらっているわけですから、私の方でオンラインでの快適な取材環境を整えるのは当然のことなので、課金していましたよ。しかし、今では対面が増えましたし、そんなにzoomを使わないのに年間約2万6000円も支払うのもきつい。経費申請することもできません。何しろ月に10社の仕事で使ったとした場合、各社に259円請求なんて土台無理な話ですからね。でも、取材先までの交通費でしたら各社に請求可能です。なので解約をしました」

 私自身、フリーランスとして、仕事は対面での会議や飲み会で多数獲得してきただけに、2020年以前の姿に戻り、対面での仕事が増えているのはよく理解できる。2020年は「オンライン飲み会」「オンライン帰省」をする流れがあったが、今やる人は滅多にいないだろう。結局人は対面で会いたいと考えるのである。

 もちろん海外の人とやり取りをする時はオンライン会議システムは便利だが、国内でよっぽどの僻地に住んでいる場合か、立場が上の人以外は対面にせざるを得ない空気になったことを、この2年間ひしひしと感じている。会議の形式に関しては、コロナ前に完全に戻ったということなのかもしれない。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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