補強で勝てる時代は終焉か…巨人と日本ハムに露呈した“誤算の現実”

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新戦力が好調な西武と楽天

 巨人以上に新戦力が機能していないのが日本ハムだ。補強の目玉はソフトバンクから獲得した有原航平で、先発の柱として期待されていたが、ここまで5試合で1勝4敗、防御率8.23と苦しんでいる。4月26日のオリックス戦では4回途中8失点と崩れ、翌日に登録抹消となった。新外国人では投手のラオは3月31日の二軍戦以降登板がなく、野手のカストロも3本塁打を放っているが打率は1割台に低迷している。

 5年ぶりに復帰した西川遥輝はオープン戦では存在感を示していたが、シーズンでは打率1割台と苦戦している。期待通りと言えるのは、トレードで阪神から獲得した島本浩也のみが現状だ。チームは4月終了時点で最下位に沈んでいるが、新戦力が機能していない点も要因の一つであることは間違いない。

 逆に新戦力が一定の活躍を見せているのが西武と楽天だ。西武はFAでDeNAから獲得した桑原将志が開幕から1番に定着。4月21日に左ふくらはぎを肉離れして現在は二軍で調整中だが、それまでは3割を超える打率を残し、攻守で存在感を示した。

 新外国人のカナリオと林安可はともに打率2割台前半と目立った数字ではないが、ドラフト2位の岩城颯空(中央大出身)は抑えとしてリーグトップの8セーブをマークし、ドラフト1位の小島大河(明治大出身)も2本塁打を放つなど打撃でアピールしている。

大型補強で優勝を狙えない時代に

 楽天はメジャー帰りの前田健太が期待に応えきれていないものの、新外国人のウレーニャが先発の一角に定着。則本の人的補償で獲得した田中千晴もブルペンを支えている。

 野手ではFAでDeNAから移籍した伊藤光が守備面で貢献し、現役ドラフトで獲得した佐藤直樹も現在はコンディション不良で離脱しているが、3月29日のオリックス戦ではあわやサイクル安打の活躍を見せた。

 他球団ではヤクルトのキハダとリランソ、DeNAのレイノルズらリリーフの新外国人投手が結果を残している。ただ、全体を見ると補強によって劇的に戦力が変わったチームは見当たらない。こうした状況について、ある球団の編成担当はこう話す。

「本当に力のある選手はメジャーに移籍する流れが強まり、国内FAで獲得できるケースは限られています。外国人選手もメジャー球団の増加に加え、条件面での差が広がっており、いきなり主力として活躍できる選手は多くありません。そう考えると、補強で一気にチーム力を底上げするのは以前より難しくなっています。各球団がファームの充実に力を入れているのも、こうした背景があるからでしょう」

 セ・パ両リーグで首位を争う阪神とオリックスはオフに目立った補強がなかった点も、NPBの現状を象徴しているのではないだろうか。大型補強で一気に優勝を狙う――そんな時代は終わりを迎えつつある。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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