“株はインフレに強い”は過大評価…今が株の買い時と言えない「5つのリスク」を専門家が解説 “年末には日経平均7万円”は眉唾か

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「英国病」ならぬ「日本病」の可能性

 インフレが株価を実質的にも下落させるという、投資家にとっては恐怖とも思えるシナリオには前例がある。

「1973年の第1次石油危機に起きたインフレーションを振り返ってみましょう。そもそもインフレは石油危機の前から起きていました。当時は第2次田中角栄内閣で、内閣の圧力により日本銀行は金利の引き上げができない状況でした。そのため過剰流動性が放置され、インフレが起きていたのです。そこに第1次石油危機が起き、インフレは加速しました。日経平均株価は実質でも大きく下落し、第一次石油危機勃発以前のピークだった1973年7月の水準を回復したのは10年以上が経った1984年4月のことでした。現在起きている石油危機は第1次石油危機よりも巨大なもので、具体的には3倍以上の規模です。株価に与える影響を考えると恐ろしくなります」(同・田代氏)

 田代氏が指摘する5つ目のリスクは「日本病」の発症だ。1970年代のイギリスでは過度な福祉政策、産業国有化、労働組合の強大化によるストライキ多発などが重なり、経済成長が停滞し国際競争力が低下。物価は上がる(インフレーション)のに景気が後退(スタグネーション)して賃金は上がらないという「スタグフレーション」が発生した。

「これが当時は『英国病』と呼ばれました。今の日本も1970年代のイギリスと似ています。金利上昇と通貨暴落で実質消費が打撃を受け、供給能力不足で輸出も伸びない円安スタグフレーションが起き『日本病』に陥るという危機が迫っているのです」(同・田代氏)

 第1回【日経平均“6万円突破”でも専門家が「今は絶対に株に手を出してはならない」と説く理由…日経平均以外のきちんと確認すべき“指標”とは】では、「19世紀型の日経平均株価と20世紀型のTOPIXを比べると今、株に手を出すべきではない理由が見えてくる」という田代氏の指摘について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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