夫や子どものために尽くしても、感謝されるどころか虐げられて… 「救いのない母親」の背中を押してくれるドラマ4選
今期は「主人公が母親」の作品が多い。夫や子供のために尽くしても、感謝されるどころか虐げられて、徒労感や虚無感しかない。そして孤独。家族がいても寂しくて虚しい。ただし、救いはある、というか、いる。職人やシェフ、バーのママなどバラエティーに富んだ人材が叱咤激励、または癒やしと発想の転換を提供してくれる。そんな母を応援する作品+αをまとめてみた。
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●すしで空虚を埋められるか
永作博美主演「時すでにおスシ!?」(TBS)は、50歳のシングルマザーが息子(中沢元紀)の独立後、生活にハリがなくなるところから始まった。友人(役者業も始めた有働由美子)から誘われたのはすしアカデミー。3カ月ですし職人になれるという80万円の講座だ。担当講師は仏頂面&スパルタのすし職人(松山ケンイチ)。こっちはこっちでワケアリのようで。テーマは卒母か。
家事を一切手伝わない馬鹿息子を作った罪はかなり重いが、自分の主語を取り戻し、すしで世界が広がっていく様子を見るのは楽しい。推しにハマって散財するよりは、すしを握って自己投資したほうが有益な気もする。
●観察眼鋭いママと珍道中
「月夜行路」(日テレ)は家庭を顧みない夫(田中直樹)と感謝もねぎらいもない子供たちに疲弊している母が主人公。演じるのは麻生久美子。
夫の浮気相手を突き止めようと銀座のクラブへ殴り込むも、別の店のママ(トランスジェンダー)に拉致されて、なぜか大阪へ。波瑠が演じるママは文学好き、鋭い観察眼と推理で人となりを言い当てる手練れだ。巻き込まれたように見えるが、無関心で恩知らずな家族といるよりは楽しそう。逃避行というか珍道中だが、博識で裕福なTGママとの旅なら私もしてみたいな。
●致命的に家族運がない女
木南晴夏主演の「今夜、秘密のキッチンで」(フジ)はややトリッキー。元役者の主人公は詐欺を働いた実母のせいで仕事を失った後、縋るように結婚。夫は大手飲食チェーンの社長(中村俊介)だが、超絶モラハラ男で、前妻の娘(吉田萌果〈めいか〉)もまったく懐かない。おまけに義母(筒井真理子)が過干渉&人格否定してくる地獄。努力しても気遣っても夫から叱責され、家政婦もしくは性のはけ口扱い。妻として母として自信を失い、キッチンドリンカーになりかけたとき、目の前に現れたのが謎のシェフ(高杉真宙)。
月夜にのみ現れる彼は料理のコツや薬膳の効能を教えてくれるが、どうやら人間じゃない。キッチンにしか出てこられないので地縛霊だ。家族運のない女が優しい地縛霊に慰められて癒やされて自信を取り戻す、のかな。全力で離婚を勧めたいところだが、地縛霊と不倫というのもオツかなと。
●特定&炎上という悪趣味
さもしい母を描くのは「鬼女(きじょ)の棲む家」(日テレ系)だ。石田ひかり演じる母は、育児ストレスから鬼女(ネット上で暗躍する既婚女性)となった。匿名の問題人物を特定したり、芸能人を炎上させるのが生きがい。家庭円満とうまい料理の秘訣(ひけつ)は他人の不幸っつう。罪深き母に救いはたぶんない。絶対しっぺ返し食らうやつや。







