「あの人、何やの?」と露骨に不快感を… 高市首相ににらまれた「新・参院のドン」の厳しい未来

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 すったもんだの末に今年度予算が成立。国会は中盤戦に突入したが、参院自民党はドタバタが続いている。

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焦りの表れ

 政治部デスクが解説する。

「“新・参院のドン”と呼ばれる、自民党の石井準一参院幹事長の動きが目立っています。今月15日の記者会見で、新グループ『自由民主党参議院クラブ』の設立を明らかにしました」

 衆院と異なり、参院で与党は過半数に達していない。このため党内には「参院の国会運営を取り仕切る幹事長が党の結束に亀裂を生じさせていいのか」との強い批判も上がったが、

「石井氏は会見を強行しました。“参院で自分はこれだけの影響力がある”とアピールする狙いとみられます。とはいえ、党内には“石井の焦りの表れ”と冷ややかな見方もあります」

冷え切った関係

 何が起きているのか。

「石井氏は年度内の予算成立にこだわっていた高市早苗首相に“3月中に予算を成立させられる”と説明していました。にもかかわらず、国会審議で野党に配慮し過ぎて年度内成立を達成できませんでした。首相は石井氏に強い不満を抱いており、国会が閉会したら、幹事長職からの辞任を迫るのではともささやかれています」

 3月30日には、高市首相と石井氏の冷え切った関係を象徴する場面があった。

 自民党関係者が言う。

「この日、政府は正式に予算案の年度内成立を断念することを表明。石井氏は党本部での役員会で“申し訳ありませんでした”と頭を下げて陳謝しました。ところが出席していた高市首相は、石井氏を一瞥(いちべつ)もせず一言も発しなかった。散会後には周囲に“あの人、何やの?”と露骨に不快感を示していたそうです」

「首相ににらまれた」と自覚

 参院自民党の幹事長は党総裁の選任ではなく、伝統的に党所属の参院議員が選挙で選んだ参院議員会長が指名してきた。が、腹の虫が治まらない高市首相は、党則を変更して参院人事の掌握に動く意向とも伝わる。

「石井氏のグループ結成は、一葉知秋を感じたからでしょう。首相ににらまれたと自覚したことで“数の力”で対抗し、少しでも自身への風当たりを弱めようと考えた。先の会見では“力を合わせて高市政権を支えていく”と、首相と対立する意思がないことを強調していましたが」

 メンバーには、かつて石井氏が所属した旧茂木派をはじめ、旧安倍派や旧二階派から40人超が集まった。101人を擁する自民党参院議員の4割を占めるものの、党内からは厳しい見通しが聞こえてくる。

「実力者の石井さんからの誘いを断れず、渋々加わった議員は少なくない。首相と親しい西田昌司氏の参加は唯一の好材料でしょうが、他のグループとの掛け持ちを認めている以上、実際に石井氏と行動を共にする議員は一部にとどまるでしょう」(自民党ベテラン議員)

 高市政権には食料品消費減税や衆院定数削減など難題が待ち受ける。内輪もめしている場合ではなかろう。

週刊新潮 2026年4月30日号掲載

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