赤字でも評価額「135兆円」オープンAIのリスクは? 「強力なライバルが出現すると…」
メタ社と比較すると
チャットGPTで知られる米「オープンAI」が、今秋にも株式上場すると話題になっている。驚くべきは、いまの段階で8520億ドル(約135兆円)の評価額をつけていることだ。オープンAI社の売上高は1.95兆円(2025年)といわれており、創業11年の会社にしては、驚異的な数字である。しかし、赤字の上にいきなりトヨタ自動車の時価総額の2倍超という企業が出現するとは、どういう根拠なのだろう。
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IT系企業の株価は予想しにくいのだが、一般的には類似業種から割り出すというやり方がある。
マーケットアナリストの田口れん太氏によると、
「オープンAIの週間アクティブユーザー数(一定期間内にサービスを利用した数)は現在9億人います。一方、一般消費者向けのプラットフォーム(フェイスブック)を提供している米メタ社は約35億人で、時価総額は約200兆~250兆円。これを比較の対象とするのです。オープンAIのアクティブユーザー数がいずれメタの半分ぐらいにまで伸びるとすると17億人ぐらい。また、チャットGPTは広告を入れ始めており、それが2030年に1000億ドル(約16兆円)になるとしている。この金額もメタの広告収入の約半分。予想通りに進めば、評価額135兆円は妥当な数字で、場合によってはそれを上回ってくることが予想されます」
成長は鈍化傾向
「GAFAM」と呼ばれるアメリカの大手IT企業の株価は、いずれもここ10年で大きく値上がりし、10倍以上になった会社もある。
それほど有望なら、証券会社で口座を作って上場を待ち構えておけばいいのだろうか。いや、気を付けなくてはいけないことがある。田口氏に同社のリスクを教えてもらった。
「GAFAMと比べて違うのは、チャットGPTのスイッチング(乗り換え)コストがやたらと低いことです。例えば、フェイスブックを始めたら、簡単にミクシィに乗り換えることができません。また、グーグルの便利さを覚えたらヤフー検索なんてしなくなりました。しかし、生成AIは違う。ライバルであるアンソロピックの『Claude』のように強力なライバルが出現すると、すぐに乗り換えられる。そうなると成長も止まってしまいます。実際、最近のオープンAIはユーザーを1億人増やすのに4カ月もかかっている。以前と違って成長が鈍化傾向にあるのです」
さて、株価は上がるのか、下落するのか。チャットGPTに聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
〈初値は盛り上がるが、その後の株価は荒れる可能性が高いです〉


