「終戦」は早すぎる!開幕連敗からVへ…“泥沼の6連敗”を覆した劇的転機とは
4連敗でも可能性は十分
今季、日本ハムは開幕3連敗後、細野晴希のノーヒットノーランをきっかけに勢いづいたように、3連敗であれば比較的挽回は可能という印象が強い。では、4連敗、5連敗となるとどうか。開幕4連敗から優勝したのが、1979年の広島だ。
開幕戦で阪神に敗れたあと、大洋に3タテを喫し、4月は6勝9敗と負け越し。5月以降も一進一退が続き、33勝32敗7分の4位で前半戦を終えた。
8月1日の巨人戦を境にチームは劇的に変わる。この日も6回を終わって1対7と敗色濃厚。7回には三村敏之、萩原康弘、衣笠祥雄の3人が死球を受け、肩を骨折した衣笠は1974年から続けていた連続試合フルイニング出場が日本記録目前で途切れてしまう。
死球騒動の乱闘が収まると、赤ヘルナインは怒りを闘志に変え、この回一挙6得点で7対7の同点。最終的に8対8で引き分けたものの、勝てなかったことへの悔しさをあらわにした。ここから8月中旬に6連勝を記録するなど、チームは一丸となって首位浮上。さらに同27日から9連勝とスパートをかけ、4年ぶり2度目のVを実現した。
今季、開幕4連敗後も元気のないDeNAだが、広島のようにチームを結束させる“燃える試合”があれば、一変する可能性は十分にある。
あきらめずに白星を積み重ねれば
開幕5連敗から優勝という広島以上の快挙を成し遂げたのが、2008年の巨人だ。同年はクルーン、ラミレスらの大型補強でリーグ連覇を狙ったが、開幕カードでヤクルトに3連敗といきなりつまずいた。さらに4月1日から中日にも2連敗し、球団ワーストの開幕5連敗となった。
同3日の中日戦で、4点ビハインドの7回に3本塁打で逆転し、ようやくシーズン初勝利を挙げたが、前半戦は勝率5割前後でもたつき、首位・阪神に最大9.5ゲーム差。優勝は絶望的とみられていた。それでも、7月に16勝8敗と躍進して上昇気流に乗ると、9月に怒涛の12連勝で阪神に追いつき、シーズン残り2試合の10月10日に“メーク・ミラクルV”を実現した。
今季の中日も開幕5連敗から低迷が続いているが、浮上のきっかけをつかめば、18年前の巨人に続く可能性はゼロではない。そして、タイトルにもある“泥沼の6連敗”から頂点に立った例がある。
巨人の5連敗を上回る開幕6連敗から球団初Vを実現したのが、前年まで6年連続最下位の大洋だ。エース・秋山登の負傷離脱があり、開幕の中日戦から6連敗。5月終了時は借金3で大阪(阪神)と同率の5位と低迷し、「今年も最下位か」とみられていた。
それでも、6月1日の巨人戦で鈴木隆がリーグ新の8者連続三振を記録し、1対0で勝利したのをきっかけに流れは一変する。6月下旬から8連勝で首位戦線に浮上。その後は三原脩監督の“三原魔術”でロースコアの試合を勝ち抜き、球団創設11年目で初の日本一に上りつめた。
クライマックスシリーズ(CS)導入後は、2022年の阪神のように開幕9連敗からCS進出を果たしたチームがある。開幕から連敗地獄にはまり込んでも、あきらめずにひとつずつ白星を積み重ねていけば、栄冠はけっして不可能ではない。
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