ミイラ化した遺体が「紅茶を飲んだ!」…信者殺害の「ライフスペース」高橋弘二代表 血塗られた来歴と“その後”

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摩訶不思議ワード「定説」

 そんなライフスペースは、ミイラ化事件が表面化しても、男性を死なせてしまったことを認めようとはしなかった。団体が公表した記録にも「11月2日には紅茶を美味しそうに飲めるレベルにまで回復できた」と、ミイラ化しているAさんが紅茶を飲んだと記されている。信者であるAさんの息子も当時「父は死んでいない」と訴えていた。団体はAさんの遺体が発見された直後から、記者会見を複数回開いていたが、現場である千葉県成田市内のホテルを追い出されたのちの茨城県大洗町での記者会見席上で、高橋は「定説」なる摩訶不思議なワードを連発、報道陣や世間を一層混乱させてゆく。

 本人は「定説」の定義について、会見で次のように語っている。

「日本国憲法前文と第二項に定説主義がある。定説主義とは、戦争放棄の別名である。戦争放棄の憲法はフランスや英国や米国など先進7か国が持っているが、日本の第二項はただ翻訳しただけだ」

 Aさんの死については「脳内出血の人は必ず3日以内に死ぬんです。3日で死ぬのに(Aさんは)なぜ1週間も生きているのか」といった定説も飛び出した。

 そんな高橋は“定説主義者”になったのはいつか、と問われ「サイババに出会ってすぐです。6000年です」と、インドの宗教家に出会って定説主義者になったと即答。自らを“サイババの後継者”だと語る。サイババは否定していると水を向けられると「それはサイババの勝手なんですよ」と答え、会場から笑いが起きる一幕もあった。

「一日一食しか食べない」

 会見後も同団体はメディア各社の取材に応じるなどしていたが、同年11月24日、関係施設に家宅捜索が行われたことをきっかけに、一切の取材を拒否することを決定し、ホテルの籠城を決め込む。しかしその後も高橋に対する世間の興味が薄れることはなかったようだ。「エビ、ソバ、トマトを1日1食しか食べない」と公言していた高橋が、団体メンバーらと滞在しているホテルでインドカレーを頼んでいたことや、メンバーがたこ焼きを買うためにコンビニに向かっていたことまでも報じられるほどだった。

 そんなメディアの加熱ぶりを、団体側も利用していたフシがあったかもしれない。彼らはAさんの息子が記した『闘病ドキュメント』だけでなく、遺体の写真が約400枚も収録された書籍を公表し、この内容までもが大々的に報じられることとなる。当時の週刊誌には、ミイラ化したAさんの写真が何枚も掲載されていた。

 しかし、そんな写真を公表すれば、「治療」「回復の途中」であるなどとしてAさんの遺体を放置し続けた常識はずれの団体である……と印象付けるだけのようにも思うが、少なくとも表向きには、団体の意図は別のところにあったようだ。同団体広報は当時の取材に対して書籍制作の理由をこう語っていた。

「(Aさんが)6ヶ月で回復することは最初から分かっていたので、学術会議に証拠資料として出すつもりでした。Aさんもこれを見て、こんな経験だったのか、と喜んでくれるはずでした」

 シャクティパット治療により6ヶ月で回復する見込みだったAさんが、4ヶ月目に警察によってホテル客室から運び出されてしまったことで、治療が妨げられてしまった……これが彼らの言い分であろう。警察がホテルに来るときまでAさんは生きていた、Aさんが亡くなった責任は、団体にも、シャクティパット治療を施した高橋にもない……そんな主張を広めるため、ライフスペースはメディアを利用したのかもしれないが、これがかえって彼らの異様さを強く印象付ける結果となった。

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