ルーキー評価は本当に正しいのか…スカウトの本音が示す“予想と現実のズレ”

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守備面の底上げが不可欠

 一方の野手で戦力として機能しているのが小島大河(明治大→西武1位)だ。キャンプで右太ももを痛めてファーム調整となったが、順調に回復して開幕一軍入りを果たす。プロ初打席で初安打をマークすると、その後は大半の試合でスタメンマスクを任されている。12安打、2本塁打、3打点、打率.267と打撃面で存在感を示している。

 小島については、評価と課題がはっきり分かれている。

「バッティングは大学生の中でもトップクラスでした。ボールをとらえる感覚はある意味天才的です。ただキャッチャーとして見ると、すべてのプレーが一軍レベルでギリギリという印象です。西武は我慢して起用しており、小島もバットで応えています。環境としては恵まれていますね」(パ・リーグ球団スカウト)

 4月1日のオリックス戦ではプロ野球ワーストタイとなる1試合3捕逸を記録した。正捕手として定着するには、守備面の底上げが不可欠だ。

 ここまで挙げた3人は、事前の評価に見合う働きを見せている。一方で、見立てを上回るインパクトを残した選手もいる。平川蓮(仙台大→広島1位)だ。

 オープン戦では12球団で2位となる打率.323をマーク。開幕から1番・センターに定着し、同点の2点タイムリーを放った。翌日には岡林勇希のタッチアップを本塁で刺す好返球を見せ、攻守で存在感を示した。

 この急成長には、他球団スカウトも目を見張る。

「運動能力やポテンシャルの高さは評価していましたが、攻守ともに粗削りで時間がかかると見ていました。それだけに、いきなりあれだけのパフォーマンスを見せたのは想定外です。打撃は左右どちらでも対応できている。守備の安定感も増しました。スイッチヒッターで長打力がある点も魅力ですね。レギュラーとして定着すれば、広島にとって大きな戦力になるでしょう」(パ・リーグ球団スカウト)

 3月31日のヤクルト戦の守備でフェンスに激突し、右肩を痛めて登録抹消となったが、順調に回復しており一軍復帰は近い。離脱後にチーム成績は下降気味で、復帰への期待は高まっている。

 今回は4人の名前を挙げたが、昨年のドラフトで3球団が競合した立石正広(創価大→阪神1位)ら、出遅れている選手にも巻き返しの余地はある。今季もルーキーの出来が、ペナントレースの行方を左右しそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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