コンドームに安全ピンで穴を開ける“夫”、子どもを産む気はまったくない“妻”… 「悪意マックスの夫婦喧嘩」を実力派俳優二人が熱演
針一本で壊れる夫婦関係とは? タイトルも役者陣も興味深くて、見始めたら「なるほど」と。キービジュアルも「コンドームに安全ピン」。もうこれだけで心がザワザワ。ここ数年、テレ東が力を入れているのが不穏な夫婦モノ。夫を社会的に抹殺したり、夫の死を願ったり、夫の家庭を壊したりしてきたわけだが、今回は別名を授けよう。「リプロダクティブホラー」だ。宮澤エマが連ドラで初主演、「産まない女はダメですか?」である。エマは主演の器なので、待ってました!
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結婚3年、フリーの美容師で、いずれは自分の店を持ちたいと考えている金沢アサが主人公。子供を産む気は全くない。どうやら毒母に育てられたトラウマに起因するようだ。ピルを飲みたいが、血栓症のハイリスク家系なので断念した。避妊は優しくてこまめで理解のある夫に任せて、仲良くDINKsライフを満喫……とはいかなかった。
夫の哲也は実は子供が欲しい。アサが産みたくないことも分かっている。分かっているフリをして、夜な夜なコンドームに安全ピンで穴を開けること、1年。ね、リプロダクティブホラーでしょ? 哲也を演じるのは浅香航大。時折見せる無表情の鉄仮面も怖いし、歌いながら蛮行する姿も怖い。浅香が振り切るのが楽しみだ。
第1話でアサの妊娠が判明。哲也が日々積み重ねてきた針刺しの努力が実を結び、これから夫婦間に亀裂が生じていく模様。サブタイトル「DINKsのトツキトオカ」も合点がいく。
アサが同じくDINKsの美容師・青田雪乃(皆本麻帆)から避妊リングを教えてもらう場面があった。なんかね、ちょっと感慨深いな。昭和からドラマを見てきた中高年としては、ドラマで普通にピルや避妊リングの話が出てくることが。男任せの避妊で望まない妊娠をしては、人生の岐路に立たされる女ばかりが描かれてきたから。しかも中絶が罪悪感や恨みにつながるように仕向けられてきたからな。令和には、低用量ピルも避妊リングもある。女の自衛策に選択肢があることをドラマでも触れるべきと思ってね。
アサが母になりたくない背景は今後みっちりと描かれていくだろうし、毒母を演じる西田尚美が説得力を持たせてくれるはずだ。さらに、哲也も第1話から化けの皮が剥がれ始めている。優しくて理解があるのではない。アサをつなぎ留めたいだけ、自分のレプリカ(子供)が欲しいだけ、パパになりたいだけで、産むのも育てるのも女の仕事と考えているフシがダダ漏れ。哲也の同僚・梨田(前原瑞樹)との会話でにじみ出る無責任と無自覚。哲也の蛮行は針刺しだけではない。アサの開業準備をしれっと妨害したりして。やべえぞ、この夫。
しかも、夫婦の危機に拍車をかける刺客もぬかりなく配備。うそをついて哲也に近づく謎の女・宇都宮沙也香(秋元真夏)、アサの同僚となるシングルファザーの緒方誠士(今回は善玉かしら? 北山宏光)もいる。テレ東が放つ「悪意に満ちた夫婦喧嘩」の顛末はいかに。産まないほうに一票、だ。








