高市首相と「安倍元首相の側近」大ゲンカの裏側 「安倍さんの肖像写真を雑に扱う高市さんに“センスがない”」

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提言を黙殺した高市首相

 政治ジャーナリストの青山和弘氏が解説する。

「安倍政権時代から一貫して、今井さんは自らの意見をハッキリ主張して、政策判断に関与するタイプの人物でした。片や高市さんは、強い意見をぶつけてくる人物を好まないため、二人の関係を懸念する声は当初からありました。例えば、今井さんは昨年秋の台湾有事を巡る存立危機事態の首相答弁について、高市さんに明確な軌道修正を求めたようです。また昨年末の尾上定正首相補佐官(66)の『核保有発言』についても、現段階では非核三原則を堅持するという政権の方針に反するとして、高市さんに更迭を進言したのです」

 それらの提言を高市氏は黙殺したという。

「国益を第一に考える今井さんは、渦中のイラン、ロシアや中国とも一定の関係を保つべきとの考えを持っています。米国一辺倒なら日本は外交を放棄するに等しい。イラン攻撃でいえば、さまざまな国と独自に関係を築くことで、多角的なエネルギー供給が可能になると考えているのです」(同)

 先の関係者が話を継ぐ。

「件の記事で日本が大騒ぎになる直前、今井さんは非公式に中国へと出かけて、現地のエネルギー事情などを探っていたそうです。これは高市さんの指示を受けてのものではなく独自の判断のようです。安倍政権時代から、彼は米国とも中国ともバランスの取れた現実的な外交関係を目指していました」

 経産官僚時代、資源エネルギー庁次長を務めた今井氏は、石油や天然ガスの事情にも明るい。かような自負のある彼は、自らの助言に耳を貸さない高市氏の姿勢に対して、不満を募らせてきたわけだ。

高市流のパフォーマンスがしゃくに障るほど、今井氏には鬱憤が

 別の官邸関係者に聞くと、

「年初に高市さんが伊勢神宮を参拝した際、報道陣の前で安倍さんの肖像写真を見せたことが話題になりましたよね。あの写真、実は今井さんが高市さんにプレゼントしたものだったんです。大切な写真なのに、高市さんは安っぽいペラペラのファイルに入れて雑に扱った。そう感じた今井さんは、“本当にセンスがない”とボヤいていました」

 高市流のパフォーマンスがしゃくに障るほど、今井氏には鬱憤(うっぷん)がたまっていた。

 そんな年明けといえば、今井氏が高市氏に電撃解散を指南したと報じられた。これも事実は異なるそうで、

「高市さんが解散したのは1月23日でしたが、今井さんはさらに早い1月9日を進言していた。そうすれば投開票後の国会召集も早まり、新年度の予算成立も通常どおり3月中に終えられた。今井さんは、進言した日程で高市さんが解散してくれたら、予算成立を巡る国会のゴタゴタも起こらなかったのにと、悔しがっているでしょうね」(同)

 すったもんだの末、今月7日に新年度予算は参議院で採決が行われ成立したが、高市氏が目標に掲げた年度内成立はかなわなかった。

 しかも、成立を急いだ高市氏は、今井氏のみならず自民幹部らともあつれきを生んでいたのである。

 後編では、“女王様”と化しているという高市首相を取り巻く状況について、詳しく報じる。

週刊新潮 2026年4月16日号掲載

特集「官邸内幕レポート 『高市首相』と『安倍晋三の懐刀』が大ゲンカ」より

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