そんな“裏技”があるのか…イラン人を「動物」と呼ぶトランプ大統領が、米憲法の禁じる“3期目”突入という驚愕のシナリオ
「イラン人は動物」に賛成する支持層
無理を押し通して支持率が上がるのならまだしも、支持率は史上最低レベルの30%台だから無意味に思える。ところが前嶋教授は「トランプ大統領を支持する人々の視点に立つと、全く異なります」と言う。
「彼らは移民排斥を賛成し、『関税を課せばアメリカは再び豊かになる』という大統領の主張を信じ、さらにイランは攻撃すべきだと考えているのです。例えば非都市部のトランプ支持層は移民を見たことがないという有権者も少なくありません。知らないから恐れるという傾向が認められます。さらにトランプ大統領の支持層にはキリスト教福音派も目立ちますが、彼らは親イスラエルで知られています。トランプ大統領は『イランの発電所に対する攻撃は戦争犯罪に当たらないのか?』という記者の質問に対し、『彼らは動物だ』と回答しました。私たちにとっては信じられない発言ですが、似たことを考えている福音派の信者は多いのです。つまりトランプ大統領は自分を支持してくれる人々が望む政策を忠実に実行していると言えます」
関税政策で最高裁が違憲判決を下してもトランプ支持派は揺るがない。前嶋教授は「むしろ『1年間、よく頑張ってくれた』と大統領を評価しています」と言う。
3期目を可能にする裏技
「もともと中間選挙は大統領を支持しない有権者が投票する傾向が強いのです。11月の選挙で共和党が大敗する可能性は高いと言えます。しかしトランプ政権は選挙結果など無視してしまうでしょう。実際、これまでにも議会を無視し、大統領令の乱発で政策を進めてきました。中間選挙が終わっても、今のようにやりたい放題の政治を貫くと私は考えています。それどころか、ワシントンではトランプ大統領が3期目を目指す可能性が指摘されています。アメリカの憲法は『何人も2回を超えて大統領の職に選出されてはならない』と定めています。本来であればトランプ大統領の3期目は不可能のはずですが、『裏技がある』と指摘されているのです」(同・前嶋教授)
裏技とは前嶋教授によると、トランプ大統領の後継者が大統領選に勝利した後、トランプ氏が下院議長に就任するという方法だという。
「アメリカでは基本的に国会議員以外の人間が下院議長を務めたことはありません。ただ、議員に限ると定めたルールも存在しないのです。大統領と副大統領が免職、死亡、辞任した場合、下院議長が大統領の職を継承することになっています。この制度を悪用し、大統領と副大統領が辞任すれば、トランプ下院議長が大統領に就任することができます。こんなシナリオをアメリカのシンクタンクや私たちアメリカ政治の研究者は、あり得ないとは知りながら真剣に議論しているわけで、これだけでも前代未聞の状況だと言えるのです」
第1回【トランプ大統領はなぜ「支持率35%」でも全く強気を崩さないのか 専門家が「たとえ中間選挙で大敗してもトランプ政権はレームダックに陥らない」と説く納得の理由】では、世論調査で支持率30%台という歴史的低水準に陥っても、トランプ政権が“岩盤支持層”だけを見て政治を行っている現状について詳細に報じている──。
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