「毎年人間ドックを欠かさない夫に突然突き付けられた『余命宣告』」 数々の著名人の命を奪った「原発不明がん」の恐怖と防ぎ方

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転移先のがんを治療するために一番大切なこと

 がんの初期は自覚症状がまったくない。だから人間ドックや健康診断などの定期健診で初期のがんを発見して切除する必要がある。この切除という治療ががんを完治させる唯一の方法だと言ってもいい。

 それでも残念なことに、切除したのちに転移が発覚することは往々にして起こる。その転移先のがんを治療するために一番大切なことが「発生した場所が特定できていること」なのだ。

 具体的に説明すると、検診で見つかった初期の肺がんを切除した1年後、肝臓に転移が見つかったとする。この場合「肝臓がん」ではなく原発巣である「肺がん」の治療が行われる。転移したがん細胞は、原発巣と同じ特徴を持つからだ。抗がん剤も肺がん用を使う。

 検診で早期発見し、ごく初期のうちに摘み取ることがなぜ必要なのか、これで理解できると思う。

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 後編では、原発不明がんを発見、治療するのが難しい理由などについて解説していただく。

東えりか(あづまえりか)
書評家。1958年千葉県生まれ。信州大学農学部卒。動物用医療器具関連会社で勤務の後、85年より小説家・北方謙三氏の秘書を務める。2008年に書評家として独立。11年から24年までノンフィクション書評サイト「HONZ」副代表を務める(現在閉鎖)。日本推理作家協会会員。「週刊新潮」「小説新潮」「婦人公論」「本の雑誌」「公明新聞」「日本経済新聞」で書評を担当。文庫解説担当著書多数。

週刊新潮 2026年4月9日号掲載

特別読物「『いかりや長介』『森永卓郎』『和泉雅子』『山田五郎』 突然襲い掛かる『原発不明がん』の恐怖」より

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