ソニー・ホンダ「EV」中止のウラ事情 「ホンダ側のこだわりが強過ぎた上に、ソニー側から“見た目が格好悪い”と…」

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見た目の評判

 結局、一台も売らないのに頓挫してしまったわけである。3月25日、ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は、予約を受けていた高級EV「アフィーラ1」の販売中止と、第2弾モデルの開発中止を発表した。

 ソニーグループ(以下ソニー)とホンダの広報担当者に理由を聞くと、先に発表されたホンダの赤字決算とEV生産の縮小を受けて、ソニー、ホンダ、そしてSHMの3社で話し合った結果、今回の決断に至ったという。ホンダの懐事情がブレーキになったことは想像に難くないが、もっとも、アフィーラは1400万円からの高級車。テスラの同グレードの2~3倍することから苦戦も予想されていた。

 だから、傷が浅いうちに中止してよかったと言うのは、当のソニーの幹部だ。

「ホンダとの合弁であるSHMの本社と開発部隊は、東京の港区赤坂にあり、アフィーラ1は米オハイオ州にあるホンダ工場のラインの一部を使って生産されることになっていました。しかし、EV事業に腕まくりするホンダ側のこだわりが強過ぎたこともあって、開発が遅れた上に、見た目の評判も良くなかった。ホンダ側から車体のデザインを示されて“ちょっとこれは格好悪いなあ”という声がソニー側から出たものです」

“やっぱりこの日が来たか”

 もともとソニーがEVの試作車を発表したのは2020年のこと。当時は「VISION-S」という呼び名だったが、販売まで予定していたわけではない。

「しかし、以前からソニーは自動車ビジネスへの進出には意欲的で、マツダと共同開発を行っていたのです。マツダはエレクトロニクスに口を出してこず、両社の協業は非常にうまくいっていました」(前出のソニー幹部)

 それが4年前、一転してホンダと組むことになったわけだが、今回の販売・開発中止はソニー側からすると、どう映るのだろうか。

「そもそもソニーの立ち位置は、来たるべき自動運転の時代を見越しての半導体生産、さらに運転がハンズフリーになった際に楽しめる高精度の映像やカーオーディオの開発です。これを、幅広く自動車メーカーに売っていくという考えでした。いわば部品メーカーですから、車がエンジン車だろうが電動だろうが、あまりこだわってはいなかった。車体があって電気部品が供給できるなら、そこにソニーのエレクトロニクス製品を組み込むだけ。今回の中止決定は“やっぱりこの日が来たか”という印象です」(同)

 この幹部によると、マツダと組んでいた時代に同社の大株主(約5%)のトヨタからも“一緒にやりたい”と声がかかっていたという。アフィーラの頓挫で、意外な大物が名乗りを上げるかもしれない。

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