いまの佐々木朗希は「巨人の戸郷と同じ状態」との指摘も…“極度の制球難”の原因は「自分でもどう投げていいのか分からない」悪循環にあるのではと元ロッテのエース
袋小路からの脱出方法
前田氏は福岡県の福岡第一高校でエースとして活躍し、1988年の夏の甲子園は決勝戦で広島商業高校と対戦、惜しくも0対1で準優勝に終わった。その年のドラフト会議でロッテから1位指名されて入団した。
翌年、新人ながら1軍で7試合に先発し、2勝を挙げた。その後も、とにかくがむしゃらに投げ続けた。ところが入団して6年目、いきなり壁にぶち当たった。
「これまでと同じように投げているはずなのですが、突然ストレートが走らなくなり、変化球も曲がらなくなりました。何とかしようと試行錯誤を続けましたが、何も変わりません。原因が分からないので精神的には非常に苦しかったですね。これと同じ状態が佐々木投手にも起きているのではないでしょうか。私の場合、転機が訪れたのは1995年のオフシーズンに中日へトレードされたことです。監督だった星野仙一さんと出会い、『とにかくコントロールを磨け』とアドバイスされました。狙ったところへ確実に投げるという練習を繰り返すうちに、袋小路から脱出できたのです」
その後、前田氏は投手の「メカニクス(投球動作)」の重要性に気づく。投げる際、利き手の手の平がどちらの方向を向いているか、数センチ違うだけでボールの行き先は変わる。打者を抑えるためには正しい投球動作を寸分の狂いもなく、延々と反復する必要があるのだ。
早くも崖っぷち
ナショナルズ戦の試合後、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「投球内容には満足している」と佐々木を擁護した。
だがアメリカの野球をよく知る前田氏は、「メジャーの監督は基本的に記者の前で選手を批判しません。私は監督が佐々木投手の投球内容に満足していなくても不思議ではないと考えています」と言う。
「早ければ次の2試合の投球内容で、先発ローテーションに残すのか、それこそ2軍に落とすのか決める可能性があります。佐々木投手は早くも崖っぷちに立たされていると私は見ています。今、彼にできることはそれほどあるわけではありません。ただし、最優先の課題はコントロールでしょう。佐々木投手の球種はストレート、フォーク、そしてスライダーの3つですが、今季のスライダーはあまり曲がりません。これはコントロールを重視し、曲がり幅を抑えているからでしょう。基本は、この考えを推し進めるしかないと思います。球速を犠牲にするのはやむを得ません。とにかくバッターに向かってしっかりとボールを投げ分ける。苦しいピッチングになると思いますが、それでバッターを抑えていくしかありません」
アメリカメディアも批判
アメリカのスポーツメディアも、厳しい目を佐々木に向けている。長年、ドジャースの番記者を担当してきたアメリカ人記者も「佐々木は魅力を失ってしまった」と記事で痛烈に批判した。
第1回【「圧倒的な速球と決め球のフォークを失った佐々木朗希に何が残るのか」…ニューヨークポスト紙が辛らつに批判する「らしさを喪失した」令和の怪物の現在地】では、捕手からも苦言を呈された佐々木のピッチング内容について詳細に報じている──。
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