「ラヴィット!」リニューアルで「別の番組になった」と批判殺到…MC・川島も違和感を公言した深刻な事情

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自由な遊び場の空気

 だが、ニュースや情報が求められる朝の時間帯にあえてバカバカしく楽しいだけの無駄なことをやっている感じこそが、一部の視聴者には深く刺さっていたのである。「ラヴィット!」という番組の核心は、生活情報でもランキングでもなく、川島を中心とした出演者たちが作る「自由な遊び場の空気」だった。

 ただ、テレビ局側の事情も理解はできる。この手の番組内容の刷新(テコ入れ)が行われる根本的な理由は、元の形のままでは番組が続けられなくなったことだ。通常、その原因は視聴率の低迷にある。必要とされている視聴率に達していなかった場合、そのまま続けていても仕方がないので、番組を終わらせるか、テコ入れして様子を見るかの二者択一を迫られることになる。

 言い換えると、テコ入れをしないのであれば、番組は終わってしまうということだ。もちろん、テコ入れをすることで、従来の路線の番組に愛着を持っていた視聴者は残念に思うかもしれない。しかし、それはテレビ番組制作という「広告料で稼ぐビジネス」を維持するためのやむを得ない選択でもあるのだ。

 言うまでもないことだが、番組制作者の中に番組を終わらせたいと思って仕事をしている人はいないし、番組を面白くしたくないと思っている人もいない。誰もが面白い番組を作って、それが多くの人に長く支持されることを願っている。今回のリニューアルも、番組を続けていくために必要な施策だったのだろう。

「ラヴィット!」のリニューアルに対する反対意見が目立つのは、この番組がそれだけ革新的な試みをしていて、それが熱心なファンに支えられてきたからだ。今後も番組が続いていくのかどうかは、新しいフォーマットの中でどれだけ「ラヴィット!」らしさを取り戻せるかにかかっているのかもしれない。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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