午前の「ワイドショー」が消えたフジテレビ それでも、歯が立たない「1強状態」の番組とは

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榎並アナ効果は?

 MCが2年ぶりにNHK出身のフリー・青井実アナ(45)から榎並大二郎アナ(40)に戻ったフジ「Live News イット!」はどうなっただろう。主戦場である第3部(平日午後5時48分~同7時)を見てみたい。

 3月第4週の青井アナ時代は2.1%、4月第1週の榎並アナは2.2%。こちらもほぼ同じだった。現実的な話をすると、青井アナの年俸がなくなった分、フジは得をした。

 視聴率について記したため、「もう視聴率の時代ではない」というデマを正しておきたい。各局の業績を左右するのは昔も今も視聴率にほかならない。

 まず昨年度の個人視聴率の順位はこうだった。フジは人権侵害問題の影響をほとんど受けていない。
(1)テレ朝
(2)日テレ
(3)TBS
(4)フジ
(5)テレビ東京

 同じ昨年度のCM売上高は次の通り。
(1)日テレ、約2192億円
(2)テレ朝、約1668億円
(3)TBS、約1593億円
(4)フジ、約1473億円
(5)テレ東、約731億円

 日テレのCM売上高がテレ朝より高いのはコアが突出しているから。いずれにせよ視聴率が物を言うことに変わりはない。

 TVerの広告収入を過大評価している向きがあるようだが、ドラマが強いTBSですら昨年度の配信広告収入は約120億円。CM売上高の10分の1以下である。

 TBSが系列のU-NEXTなどから得る有料配信の収入は同約112億円。やはりCMの収入には遠く及ばない。

 個人視聴率が低下すると、制作費も減らさざるを得ない。昨年度の制作費は日テレ約893億円、テレ朝約791億円、TBS約973億円、フジ約682億円。

 制作費が最も多いTBSすら、その金額は2008年度の1200億円から200億円以上減った。全体の視聴率が落ち、CMが売りにくくなったからだ。

 だから各局はきょうも少しでも個人視聴率を上げようとしている。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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