苦悩する「戸郷翔征」 このままでは「トレード要員」か 「東野峻」「澤村拓一」…巨人には容赦ない「生え抜きエース候補」放出の過去が

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盤石ではないローテーション

 巨人の先発ローテーションは盤石とは言えない。大黒柱の山崎伊織が右肩のコンディション不良で戦列を離れ、開幕第3戦の阪神戦に先発したドラフト3位左腕・山城京平は3回途中5四死球5失点でファーム降格に。先発陣のやりくりに首脳陣は頭を悩ませる中、戸郷には1日も早く1軍に復帰して欲しいはずだ。だが、好調時の状態が戻り切らないまま見切り発車で昇格させるわけにはいかない。

 開幕ローテーションに入った6人のうち、ドラフト1位の竹丸和幸、楽天からFA移籍した則本昂大、助っ人外国人のウィットリー、ハワードなど5人が新戦力であることが、巨人の戦力刷新の入れ替えの早さを物語っている。エース格として活躍した投手であっても結果を出せなければ、トレードなどで他球団に放出することをいとわない。

人的補償で移籍も

 戸郷はドラフト6位入団から成長を遂げたが、かつてドラフト7位から開幕投手を務め、右のエース格となったのが東野峻だ。高卒5年目の09年に8勝を挙げて頭角を現すと、翌10年に自己最多の13勝をマーク。エースとして嘱望されたが、ピークは短かった。11年に8勝11敗と負け越し、12年は開幕ローテーション入りを逃すとコンディションが上がらず、1軍登板は1試合のみ。同年オフに26歳でオリックスにトレード移籍した。14年オフには戦力外通告を受け、トライアウトでDeNA入りしたものの、15年シーズンで引退を余儀なくされた。

 昨年限りでロッテを引退した澤村拓一も電撃トレードで巨人を退団している。ドラフト1位で入団し、1年目の11年から先発ローテーション入りして11勝を挙げ新人王を受賞。翌年も二桁勝利を挙げ、抑えに配置転換された後も16年に最多セーブのタイトルを獲得している。ところが、20年に制球難で苦しむと、ファームで調整中に当時の阿部2軍監督から3軍降格を告げられた。同年9月に香月一也との交換トレードでロッテに移籍。新天地でリリーバーとして復活すると、メジャーに挑戦してレッドソックスで計104試合に登板した。23年からロッテに復帰以降もセットアッパーとして稼働した。

「FAなど外部補強に積極的な巨人は、生え抜きの選手たちにシビアです。功労者の内海哲也(現巨人1軍投手コーチ)、長野久義もFAの人的補償で移籍した過去があります。戸郷もファームでくすぶっている時期が続けば、トレードの交換要員になっても不思議ではありません」

 1軍のマウンドでもう一度輝きを取り戻してほしい。そう願っている巨人ファンは多いだろう。戸郷は苦境からはい上がれるか。

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