苦悩する「戸郷翔征」 このままでは「トレード要員」か 「東野峻」「澤村拓一」…巨人には容赦ない「生え抜きエース候補」放出の過去が

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 巨人の戸郷翔征投手(26)が苦しんでいる。昨年の不調に続き、今季は2軍でのスタートとなり、そのファームでも復活とは程遠い投球内容だ。外部補強を積極的に敢行する巨人は選手の入れ替わりが早い。かつての生え抜きエース候補投手の前例のように、期待された右腕は1軍で戦力にならない時間が続けば、早晩トレード要員になってしまう危機を迎えている。

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直球のキレが不足

 戸郷は完全復活に向け、ファームで調整を続けているが、その道は険しい。昨年まで2軍監督を務めていた桑田真澄氏が退団し、最大の理解者を失った。今年は状態が上がらない中で春季キャンプ中に肘の位置を下げる異例のフォーム修正を敢行したが、オープン戦は3試合登板で防御率9.00と結果を残せず、開幕2軍スタートに。

 3月29日に開催されたファーム・リーグの日本ハム戦(鎌ヶ谷)でも、先発して6回6安打3失点の投球内容だった。8三振を奪ったが、直球は最速145キロ止まり。5回にドラフト2位の新人・エドポロケインに直球を左翼席に叩き込まれるなど、1軍昇格にアピールする水準には達していなかった。

「課題は明確です。フォークで空振りを奪えるけど、直球が簡単にはじき返されてしまう。1軍で活躍していた時期に比べて球速だけでなく、キレが失われているので痛打を浴びてしまう。イニングを重ねるとその傾向が顕著になります。1軍では直球が走らないと狙い打ちされ、フォークを見極められるので苦しい投球になる。変化球の球種が少ない投手なので、直球のキレを取り戻すことが大きなポイントです」(巨人を取材するスポーツ紙記者)

追い詰めた阿部監督の言葉

 戸郷は高卒2年目から先発ローテーション入りし、22年から3年連続12勝をマーク。最多奪三振のタイトルを2度獲得するなど、菅野智之(ロッキーズ)からエースの座を継承すると目されていたが、昨年、大きな試練が。春先から痛打を浴びる登板が続いて2度のファーム降格を味わうなど、21試合登板で8勝9敗、防御率4.14。投球回数が111回にとどまり、規定投球回数到達が4年連続でストップした。かつて、戸郷と共にプレーした巨人OBが心配を口にする。

「焦りがあったと思います。色々な人に相談をしていたと聞きました。責任感の強い性格なので、自分を追い込んでしまう傾向があります。戸郷が打ち込まれた時に阿部(慎之助)監督が『あれじゃバッピ』、『迷惑かけているんだから投げろって感じ』と発言したことがメディアで報じられていましたが、ああいう言葉も精神的に追い詰めていたと思います。ただ、昨年は夏場以降に復調の兆しが見えた時期があったんです。ファームで2軍監督だった桑田さんと一緒に投球フォームの修正に取り組んで直球に力強さを取り戻していた。良い球を投げる再現性を高めれば復活の可能性は十分にありましたよ。でも、桑田さんがチームを去ったじゃないですか。信頼していた指導者だったので、心の整理をつけるのが難しかったと思います」

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