年収は1000万円弱、地方転勤もあり…「和久田アナ」がNHKを去った裏事情 退職にダンマリだったワケ

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フジ連続退社の謎

 久保氏は2004年に同局と契約が終了すると、フリーアナに転身したものの、11年には夫の都合により、家族で渡米。現在はニューヨークに住み、幼稚園の先生などをしている。

 一方、和久田アナの日テレの新報道番組でのギャラはいくらぐらいになるのかというと、1本当たり100~150万円程度というのが現実的だろう。

 現在はどの局も制作費が抑制されている。そのうえ報道・情報系の番組はもともと制作費がそう多くはない。新報道番組の1本当たりの制作費は2000万円程度と見込まれるから、和久田アナのギャラも目を剥くような金額にはならない。

 和久田アナの年間のギャラは5000万~7500万円ということになる。キャスター事務所「セント・フォース」に所属するか業務提携を結ぶ見通しなので、そこからマネージメント料を引かれる。マネージメント料の相場はギャラの3割程度だ。

 NHKでの収入より高いが、先々の保証はない。民放に声を掛けられて同局を辞めたものの、視聴率が取れず、番組が打ち切りとなり、テレビ界を去った人は一人や二人ではない。

 1991年入局組で、18年に退職した有働由美子アナ(57)は一見恵まれている。テレビ朝日に冠ニュース番組「有働Times」(日曜午後8時56分)がある。しかし和久田アナによる新報道番組は有働アナがMCの音楽番組「with MUSIC」が打ち切られることによって始まるのだ。フリーアナの一寸先は闇である。

 女性アナの退職と言うと、このところフジテレビで目立つ。2025年3月から現在までに永島優美アナ(34)、椿原慶子アナ(40)、岸本理沙アナ(26)、藤本万梨乃アナ(30)が辞め、小澤陽子アナ(34)と竹内友佳アナ(37)の退職が決まっている。それぞれ事情があったのだろうが、かなり多い。

 フジの女性アナの待遇にはいくつか特徴がある。まず異動となる際の行き先の大半が広報局であること。記者会見の司会はうまいだろうが、数千倍の競争率を勝ち抜き、優秀であるはずなのだから、制作部門や報道局などへの異動があってもいいはず。日テレの元アナ・延友陽子氏(51)も今は報道局にいる。フジで広報局に異動になった元女性アナの多くは辞めてしまう。

 さらにフジには女性アナ出身の役員がいない。テレ朝には女性アナ出身の役員がいた。「ワイド!スクランブル」の大下容子アナ(55)も役員待遇だ。NHKの元アナ・黒崎めぐみ氏(57)は民間企業の役員に当たる理事を務めている。

 日テレの元女性アナ・豊田順子氏(59)は同局の有力子会社である日テレベイツの役員だった。ひょっとしたらフジは女性アナを過小評価し、それが不満を招いているのではないだろうか。

 そう思ってしまうのはフジには負の歴史があるから。1975年に入社し、8年間在職した田丸美寿々氏(73)は女性テレビジャーナリストのパイオニアだが、当初は正社員ではなかった。難関を突破しながら、契約社員でリポーターと呼ばれた。当時のフジの女性アナはみんなそう。69年までの入社組は25歳の若さで定年だった。他局と比べ、かなり遅れていた。

 企業風土を一新するのは簡単ではない。フジは昨年7月、アナウンス室が関係した人権侵害問題を受け、アナウンス局に格上げしたが、考え方など精神面も変えられているのだろうか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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