今回で4度目「タイガー・ウッズ」が繰り返す“交通事故” 「薬物依存」疑惑を“グレーのまま”にした周囲とメディアの責任

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最初の事故は2009年

 ウッズのポケットの中から発見された薬は、医師から処方された鎮痛薬とのこと。そしてウッズは「違法な薬は飲んでいない」と述べたが、それならば逮捕時に見られた酩酊状態を生じさせたものは何だったのか。

 複数の米メディアによると、ウッズは尿検査を拒否したことで、2025年10月にフロリダ州で施行された改正法(トレントン法)に基づき、拒否罪に問われる可能性がある。改正法での拒否罪には、1年間の運転免許停止と最大60日の刑務所生活が科されるとのこと。

 しかし、尿検査が行われなかった結果、事故当時や逮捕時のウッズの体に何が起こっていたのかは、謎のままになったと考えられる。

 振り返れば、ウッズが交通事故を起こしたのは今回が4度目で、初回は2009年だった。自宅で当時の妻エリン・ノーデグレンから不倫の証拠を突き付けられたウッズは、愛車に飛び乗って逃げようとした際、消火栓に追突し、唇を切るなどのケガを負った。

 米メディア「スポーツ・イラストレイテッド」によると、そのときも駆けつけた警察官は、ウッズが正常とは言えない状態だったと明かしたとのこと。後日、地元警察からは、ウッズが睡眠薬を含む複数の薬物を使用していたことが発表された。それなのに、DUIでの逮捕に至らなかったのは、なぜだったのか。その答えは、謎のままとなった。

 あの交通事故が発端となって、ウッズは世紀の大スキャンダル騒動の「渦中の人」となり、世間の注目や関心は、ウッズの薬物依存の疑いから、次々に名乗りを上げていた“ウッズの愛人”の人数へと移されていった。

繰り返される事故、深まる薬物疑惑

 2度目の交通事故は2017年5月だった。ウッズは、あちらこちらに衝突したと見られるボコボコのメルセデスベンツを道路脇に停め、車内で眠り込んでいるところを発見され、DUIの疑いで逮捕された。

 このときの酩酊状態は、生涯4度目の腰の手術後だったウッズが複数の鎮痛薬を飲んだことによる「予期せぬ副作用が原因だった」と結論づけられた。その後、ウッズは薬物依存症を治療するリハビリ施設に入り、数か月後、「もう2度と同じ過ちは繰り返さない」と誓った。

 そして、腕利きの弁護団による強力なサポートを受け、10月には司法取引が成立。DUIではなく不注意運転に軽減され、ウッズには1年間の保護観察と社会奉仕が科された。

 3度目の交通事故は2021年のこと。ロサンゼルス郊外の制限速度45マイルのくねくねした道路を87マイルほど(時速約140キロ)のスピードで走っていたウッズの車は、カーブを曲がり切れずに林の中へ突っ込んだ。瀕死の重傷を負ったあの大事故は、いまなお記憶に新しい。

 横転した車の車内には、ノーラベルの薬の瓶が転がっていたことが、米メディアによって報じられた。しかし、地元警察はなぜだか血液検査を行わず、ウッズの薬物使用の有無は不明のままとなった。なぜ、血液検査が行われなかったのかは、謎である。

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