開幕カード負け越し巨人、むしろよく1勝できた…戦力が戻ってくるまで我慢しつつ、収穫に目を向けよ【柴田勲のコラム】

  • ブックマーク

球団初の新人開幕白星も

 この3連戦、もちろん収穫もあった。開幕戦に先発したドラフト1位の竹丸和幸(鷺宮製作所)が6回を1失点で、球団初の新人開幕白星を挙げた。

 少しアップアップしていたものの落ち着いていた。ボールもよく低めにコントロールされていた。真っすぐが走ってこその変化球だ。どうしてもシンカー、フォーク、チェンジアップなどの変化球に頼りたくなるが、原点は真っすぐだ。忘れないでほしい。

 2戦目に先発したスペンサー・ハワードも大崩れするタイプではない。6回を与四球4だったがボールが速い。要所で変化球をうまく使っていた。

 いまはかつての二枚看板、山崎伊織と戸郷翔征が2軍で調整中だ。しばらくは竹丸、ハワードの二枚で回すことになる。

 投げ合った高橋遥人が良過ぎて、巨人打線は手も足も出なかった。ハワードに白星は付かなかったけど期待していい。

 岡本和真が抜けた穴を埋めるべく4番に座ったダルベックもいまのところは悪くない。大振りせずにコンパクトに振っている。中距離打者タイプだが、この意識で振っているから打球が飛ぶ。甘い球を見逃さない。右方向への意識もいいと思う。

 打線全体を眺めると、やはり一発頼みだ。なかなかうまくつながらない。吉川の復帰、丸の本格復調が待たれるところだ。

「いるメンバーで頑張るしかない」は事実

 それにしても阪神の1番~5番は相変わらず強力だ。6番以降に出てくる選手たちも力がありしぶとい。下位打線がもっと充実したら、今年も独走の可能性が見えてくる。そうさせないためにも他の5球団は全力で阪神にぶつかっていくしかない。

 守護神から転向した広島の栗林良吏が29日の中日戦(マツダスタジアム)でプロ初先発し、1安打完封勝利を挙げた。球数95の準完全試合だった。新人時代から抑えよりも先発タイプと見ていた。なにより長いイニングを投げることができる。

 巨人で言えば、大勢が先発タイプだ。いまはエイっと投げているけど、これが力を抜いてスイスイとなればいける。

 阿部監督の「いるメンバーで頑張るしかない」と言う通り、いまはチーム全体で一丸となって戦うしかない。31日からの中日3連戦はフォレスト・ウィットリーが先陣を切る。さらに対DeNAと続く6連戦に注目だ。

(成績などは30日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。