原油高で日本を待ち受ける「悪夢のシナリオ」とは? 「100円ショップの商品はほとんどすべて…」

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悪夢のシナリオ

 ナフサだって代わりの利かないものですし、前述したように産業を支える上で重要な役割を担っています。本来なら万が一のためにガソリンの消費を抑えて、その分の石油備蓄をナフサに回すという政策を取ってもいいはずです。

 しかも原油から精製されるガソリンはほぼ100%国産ですが、ナフサは6割を輸入に頼ってきました。海外で作った方が安価だったからです。

 ナフサは輸入元として中東への依存度が高く、約5割がUAEやクウェート、カタールなどのアラブ諸国で、他に韓国やインドからも輸入しています。今や後者の二国も原油の供給量が足りていない状況では、“どうして日本に輸出しなくてはいけないのだ”と間違いなく断られてしまうでしょう。

 他国から調達するにしても価格上昇は避けられません。そうなれば製品の価格に転嫁されて物価も上がる。まさに八方塞がりです。

 このままでは、73年の第1次オイルショック時に生じた「狂乱物価」が日本の高度経済成長を終わらせたように、再び“悪夢のシナリオ”が現実味を帯びてくると思います。

小嶌正稔 桃山学院大学経営学部教授

週刊新潮 2026年4月2日号掲載

特集「日本を悩ます『イラン攻撃』」より

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