「私だけファンがおじいちゃんばかり…」 11歳デビューの元アイドルが“ガチ恋ゼロ”“無償の愛”のありがたさに気づくまで

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田中菜津美インタビュー 中編

「推しがいるのにみんな寝ちゃう」と、自身の自由過ぎるバスツアーの様子が話題になった、元HKT48の田中菜津美さん。【記事前編】では、福岡でフリータレントとして活動する彼女が主催する「おじだらけのバスツアー」の知られざる魅力を聞いた。この中編では、11歳でHKT48に入った時から高齢のファンが多かった理由から、他のアイドルファンとの違い、そしてファンへの感謝を語ってくれた。

――そもそも、田中さんはHKT48初期メンバーの中で11歳と最年少でしたが、ファンは反対に高齢が多いというのはなぜなんでしょう?

田中:私は当時「AKBINGO!」「HKT48のおでかけ」と、関東で放送されてるバラエティー番組を見てファンになってくださった方が多いんです。なのでHKT48ファンよりもAKB48を長年応援していたファンで、流れてきてくれた人が多くてシニアが多いと思うんです。

 ファンの方に「なんで私のファンになってくれたんですか?」と聞いたら、みなさん「若くしてデビューしたから、卒業まで長く応援できると思って」と答える人が多かったんです。高校生でデビューしたアイドルだと2〜3年で卒業しちゃうと考えているみたいです。

 ファンもおじいちゃんなので、ガチ恋みたいな人が一人もいないので、娘みたいに応援してくれてるファンが多かったです。

――そもそもHKT48のファンって高齢だったんですか。

田中:むしろ若い子が多すぎて、デビューしたときは「HKT48のファンは若すぎてマナーが悪い」とか言われていました。私のファンだけ年齢層が高いので、他のファンの方に「シニアしか入会できないんですか、この団体は」と言われて「そんなことないんですけど」って返していました(笑)。

「私だけなんかレーンにいる人、おじいちゃんじゃない?」

――今でこそ年配のファンとの交流を楽しんでいますが、若い頃は「アイドルなのに、私だけファンがなぜおじいちゃんばかりなのか」とは思いませんでしたか。

田中:思ってました(笑)。小学6年生の時は握手会で他のメンバーと隣同士のレーンになったときに「私だけなんかレーンにいる人、おじいちゃんじゃない?」と思っていて。

 私のファンって何の見返りも求めないんですよ。他のメンバーだと握手会で「こういうこと言って」「もっとSNSにいいねして」とか求められるんですけれど、私はそういうことが本当になくって。みんな、無償の愛なんです。ただただ、私に売れてほしいという気持ちで応援してくださっているんです。

――すごい。めちゃくちゃいいファンではあるんですけれど、一方で思い描いていたアイドル像は違うとは思いませんでしたか。

田中:そうなんですよ。アイドルだったら、もっと焼きもちを焼いてほしいじゃないですか。ただ「あれ? うちの界隈だけ私に興味なくない?」みたいな(笑)。

 ファンのみんな、いい意味で私にそこまで興味がないんですよ。プライベートとか全く聞かれたことなくて「何していてもいいよ」って。SNSで写真を上げても「これ、誰と行ったの?」とかも全然聞かれないし。仕事をしている私にしか興味がない。タレントとして応援してくださっている感じなんです。なのでアイドルのファンではないかもしれない(笑)。

――それこそ“ガチ恋”がいるメンバーは羨ましかったですか。

田中:ちょっと羨ましかったです。「アイドルといえばガチ恋」みたいな感じもあるじゃないですか。楽屋で他の子が「大変なんだよね」と言っているのが、すごくかっこよく見えていました。けれどアイドルを卒業して、やっとファンの人たちのすごさに気付きました。こんな距離感で応援してくれる人たちってなかなかいないですし、めちゃくちゃありがたいです。

 私が思春期を迎えたとき、大人の人と接するのが嫌になった時期があったんです。それこそ握手会の対応とかめっちゃ酷かったと思うんですけど、むしろ「みかんちゃん(田中さんの愛称)に反抗期が来たんだ」「どうしたら、これを乗り越えられるか」とファン同士の打ち上げでそれで盛り上がったりしてたらしいです(笑)。

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