26失点の「歴史的大惨敗」や両軍計27四球の「大乱戦」も…開幕カードで起きた珍事集
プロ野球の開幕戦といえば、1990年の巨人・篠塚利夫の“疑惑の同点2ラン”や、94年の西武・伊東勤の逆転満塁サヨナラ本塁打がよく知られている。だが、ドラマが生まれるのは第1戦だけではない。開幕2戦目、3戦目にも、思いもよらぬ珍事はたびたび起きている。今回は、そんな開幕カードで起きた印象深い出来事を振り返ってみたい。【久保田龍雄/ライター】
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よく捕ったね
冒頭でも触れた篠塚の本塁打騒動は、“審判の目”がクローズアップされた一件だった。実は、その2年前にも、同じ巨人対ヤクルトの開幕カードで“疑惑の判定”が起きている。
日本初の全天候型ドーム球場としてオープンしたばかりの東京ドームで行われた1988年4月10日の開幕第3戦は、6回を終えて巨人が9対1と大きくリードしていた。だが、ヤクルトは7回、池山隆寛、秦真司の連打などで1死二、三塁と反撃の形を作る。ここで角富士夫が左中間へ長打性の大飛球を放った。
レフト・吉村禎章は打球がフェンス最上部に当たると判断し、クッションボールを待っていた。だが、その前にヤクルト応援団の男性がスタンドから身を乗り出してボールをキャッチしてしまう。本来なら審判がボールデッドを宣告し、その後の処置を協議すべき場面だった。
しかし、左翼の篠宮慎一線審が右手をぐるぐる回し、本塁打をジャッジしたことで話はややこしくなった。
篠宮線審は「ホームランに見えたんですよ」と説明したという。一方、一番近くで見ていた吉村は「若い男の手がフェンスから30センチ出ていた。ビックリですよ。でも、よく捕ったね」と証言した。
巨人側が強く抗議していれば判定が変わった可能性もあったが、王貞治監督は「接戦だったらアピールしていただろうけど、(点差に)余裕があったから」と試合の流れを優先した。結果的に角にはラッキーなシーズン1号3ランが記録されている。
そして2年後の1990年、同じ東京ドームの同一カードで、今度はヤクルトが“割を食う”側に回った。
4月7日の開幕戦、1対3の8回1死二塁で、巨人・篠塚の右翼ポール際への打球は、ファウルにも見えたが本塁打と判定される。あの“疑惑の同点2ラン”である。ほぼ手中にしていた勝利を逃したヤクルトにとっては、何とも後味の悪い一発だった。
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