“突っ込んだ質問”もできる メガバンクが次々導入する「AI面接官」

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24時間・365日

 パソコンを開いて、オンライン画面をクリックすると女性が登場する。そして、〈自己紹介をお願いします〉と切り出す。話が進むと〈志望動機をお聞かせください〉などと次第に具体的な質問に入っていく。女性の名は「みどり」。みずほフィナンシャルグループが導入を始めたAI面接の面接官だ。

 同グループがAI面接を取り入れたのは今年2月から。対象職種はキャリア採用(中途採用)だが、他のメガバンクでも次々とAI面接を取り入れている。例えば、三菱UFJ銀行では、インターンシップに参加していない学生を対象に、2027年卒の採用からAI面接を始める。

 同行に聞いてみると、

「AI面接の目的は応募してくれる学生さんの利便性、具体的にいえば面接スケジュールを柔軟に設定できるようにすること。また、なるべく多面的に能力を評価し、公平な採用を期待して導入するものです。もちろん、AI面接を希望しない人には、人による面接も行います」(広報担当者)

 また、先に紹介したみずほFGでも、

「応募者の負担を軽減するとともに評価の客観性・公平性を確保することを目的としています。応募者は24時間、365日、スマートフォンから面接に臨むことができ、利便性と柔軟性の高い面接が可能にもなる。また、客観的なデータに基づく多角的な評価により、ミスマッチの防止にもつながると考えています」(広報室)

膨大な手間と費用を代替

 さらに三井住友銀行の場合は、グループディスカッションの場や論理的思考を試すテストとしてAIを活用するという。もちろん、企業側の事情もある。

「メガバンク3行だけで、年間の定期採用は2000人を超えます。応募者数を考えると毎年、数万人単位の学生を人力で選考するのです。その膨大な手間と費用の一部をAIに代替させようとするのは時代の流れでもあります」(人事コンサルタント)

 これからは、採用もAIで、というのが主流になるのだろうか。

 冒頭の「みどり」は正式には〈ZキャリアAI面接官〉という。開発した「ROXX」(東京・新宿区)によると、

「当社のAI面接官は夜間でも面接を受けたいという人にも対応できるので、結果、柔軟な採用活動が可能になりました。面接内容も当初は10分ぐらいの簡単なやりとりが主でしたが、最近は複雑な質問や観察ができる。お客様のニーズにもよりますが、実際に『みどり』は、30分ぐらい、突っ込んだ質問ができるようになっています」(ROXXの担当者)

 みどりさんお手柔らかに。

週刊新潮 2026年3月19日号掲載

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