「橋本環奈」と「米倉涼子」の決定的な違い 「ヤンドク!」はなぜ、評価が割れたのか
「1000年に1人の逸材」
当時、橋本がラブコメ界に君臨する時代が到来したと言われたが、本人は乗り気でなかったらしい。一方で同時期、Netflixの映画「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」(同)で主人公の赤ずきんちゃんに扮している。
同作品は西洋童話をモチーフにしたファンタジックなミステリー。映像版の童話であり、異色作だ。橋本は真っ赤な頭巾が似合っていた。橋本はさまざまなタイプの作品に挑み、自分の可能性を試したいのだろう。
同作品を観ると、橋本が10代のころに「1000年に1人の逸材」と称されていたことを思い出す。芸能人としてのルックスは完璧。だが、本人はルックス頼りになりたくないから、異端児役を次々と引き受けているのではないか。
ギャル役、ヤンキー役は誇張した芝居をするので、演技力が分かりにくい。もっとも、橋本の演技力は高い。それはWOWOWの主演ドラマ「インフルエンス」(2021年)で確認できる。現代人の生きづらさは青春期から始まっていることを描いた社会派サスペンスである。
橋本ら3人の女子高生は住民が噂話ばかりしている団地で暮らし、不良たちが威張り散らす高校に通っている。ある夜、同級生の1人が男に襲われたことから、橋本は思わずその男を刺殺してしまう。正当防衛だが、怖くて逃げた。ところが、もう1人の同級生が自首する。橋本に交換殺人を依頼するためだ。自分に性的虐待を働いた祖父を殺してほしいと橋本に頼んだ。
同作品で橋本は感情のほぼ全てを表情や仕草、体の動きで表した。怯え、不安、安堵、不信。橋本はシリアス作品をあまりやらないが、やろうと思えばいつでも出来る。
一方で橋本にはギャル、ヤンキーがあまり向かないと思える点がある。声が低くてハスキーなところである。先輩女優の木村佳乃(49)からは「すごく魅力的な声」と絶賛された。実際、そうに違いない。
ただし、低音でハスキーだと、大声を出したときに声が割れてしまうことがある。苦しそうに聞こえる。ギャル役、ヤンキー役は大声を上げるシーンがやたらある。聞いている側も辛くなることがある。
まだ27歳。異端児役に自分を固定するつもりはないだろう。ラブコメに戻ってきたり、大河ドラマに挑戦したりする日が来るかも知れない。
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