WBC「ベネズエラ戦」で逆転3ランを被弾「伊藤大海投手」に殺到した誹謗中傷の嵐…野球ファンからは「このままでは侍ジャパン入りを辞退する選手が続出してしまう」と悲鳴も
スマホと愛国心
ゴミ、クソ、カス、謝れ、国賊、責任を取れ……。単なる罵詈雑言が圧倒的に多い。伊藤のInstagram公式アカウントにわざわざアクセスし、そのコメント欄に悪口雑言を書き込んだネットユーザーも多かった。
伊藤を攻撃するためには手間暇を厭わない──。市井の常識人にとっては理解に苦しむ行為だ。
井上氏は「SNSの利用者数が増えるほど、正比例してネット上の誹謗中傷も増えているのは間違いありません」と指摘する。
「ハードウェアの進化も影響を与えました。かつてはパソコンでしか誹謗中傷をネットに投稿することはできませんでした。ところがスマートフォンの登場で、いつでも、どこでも誹謗中傷をSNSに投稿できるようになってしまったのです。さらにWBCのような関心の高い世界的なスポーツイベントでは、どうしてもナショナリズムが高揚します。日本代表が敗れると、一部のネットユーザーは『恥を世界にさらした』、『同じ日本人として情けない』と、誹謗中傷の投稿を正当化してしまうのです」
もちろん野球選手が侍ジャパンに参加するのは義務ではない。辞退は可能だ。「誹謗中傷が殺到するリスクを背負ってまで参加しなければならないのか?」、「これでは代表参加を辞退する選手が続出する」とファンが懸念するのは当然だろう。
監督人事への不安
「まず選手から考えてみましょう。さすがに初めて侍ジャパンに選出された選手が、参加を辞退するケースは少ないのではないでしょうか。日本代表に選ばれることはアスリートとして素直に嬉しいでしょうし、代表のユニフォームを着たいという気持ちが誹謗中傷の標的に選ばれるという懸念を上回るはずです。しかし、2回目以降となると話は違ってきます。特に一度、誹謗中傷の被害を受けた選手が『さすがに二度もあんな目に遭うのは嫌だ』と辞退するリスクはあるでしょう。これが監督になると、さらに可能性は上昇するはずです。実際、『監督就任を依頼しても固辞するOBが少なくなく、井端弘和さんが“火中の栗を拾って”代表監督に就任した』という記事を配信したスポーツメディアもありました」
伊藤に誹謗中傷が殺到したことで、新庄剛志監督は「弱い人間じゃない」と全面的に擁護する姿勢を示した。ところが、この発言がネット上での誹謗中傷を正当化する懸念があるという。
第2回【WBCで“敗戦投手”となった「伊藤大海」を襲った大炎上 新庄監督が「弱い人間じゃない」と擁護も…専門家が懸念する「擁護発言がネット上では逆効果になるリスク」】では、新庄監督の発言にどんな問題があったのか、詳しくお伝えする──。
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