WBCの裏で進むMLB争奪戦 スカウトが語る「次のメジャー候補」

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順調に結果を残し続ければ

 種市以外では、昨年の沢村賞投手である伊藤大海(日本ハム)、5年連続で規定投球回に到達している宮城大弥(オリックス)ら実績十分の投手が並ぶ。ただ、この2人以上に注目を集めている選手がいるという。

「種市以外では高橋宏斗(中日)の評価が高くなりそうですね。昨シーズンは少し成績を落としていましたが、ボールの力はやはり申し分ありません。種市と同様にスプリットという落ちるボールの決め球があることも大きいです。前回大会でも投げていたのでMLBでもすでに名前は知られており、移籍市場に出てきた場合は調査する球団がかなり増えると思います」(前出のメジャー球団スカウト)

 MLBでは25歳未満の外国人選手には契約金の低いマイナー契約しか結べないルールがあるため、今年24歳の高橋がオフに移籍する可能性は低そうだ。ただ、このまま順調に結果を残し続ければ、2027年オフには移籍市場の目玉となることが期待できる。

 一方の野手では、昨年セ・リーグでMVPに輝いた佐藤輝明(阪神)の名前が挙がる。

「日本プールでは代打での出場が多かったですが、打撃練習を見るとNPB選手の中でもトップクラスのパワーがあります。大谷翔平とまでは言わなくても、鈴木誠也や同じ左打者の吉田正尚と比べても遜色のないレベルだと思います。大きいのは複数のポジションを守れる点ですね。外野だけでなくサードも守れるというのは、チーム編成の面でも獲得しやすい条件になる。今年オフに移籍となれば岡本和真や村上宗隆と最低でも同程度、守備力を考えればそれ以上の条件になる可能性があります」(前出のメジャー球団スカウト)

WBCはショーケース

 佐藤は今大会、ホームランこそ出なかったが、放ったヒット3本はすべてツーベースとなり、持ち味の打力を発揮した。守備面では昨年サードでリーグトップの守備率を記録し、初のゴールデングラブ賞に輝いている。契約更改ではポスティングシステムによる移籍を訴えたとも報じられており、今年も同様の成績を残せば海を渡る可能性は高い。

 日本人選手のメジャー移籍に対して否定的な意見はいまだにある。しかし昨年のワールドシリーズでは大谷、山本、佐々木が大活躍を見せてドジャースを優勝に導き、日本人選手の価値を改めて示した。そう考えると今回のWBCは単なる国際大会にとどまらず、メジャー球団にとって日本人選手を見極める“ショーケース”としての意味合いが強かったと言える。今大会で評価を上げた選手たちの動向には、今後も大きな注目が集まりそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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