イラン攻撃で国民の生活が苦しい… 原油急騰&円安進行で日本経済はドツボにはまる
円安のままでは日本がいかに脆弱か
あらためて私たちが認識しなければならないのは、日本は世界でも例外的な輸入依存国だということだ。食料品の自給率は38%(カロリーベース)にすぎず、62%は海外からの輸入に頼るほかない。エネルギーの自給率は前述のように12~13%で、すなわち87~88%は輸入するしかない。
これらの自給率を高めていく必要があるのはもちろんだが、それは短期間に達成できる課題ではない。そうである以上、円の価値を高めて、必要なものをできるだけ安価に買えるようにしておくしかないはずだ。ただでさえ円安は、有権者がもっとも気がかりな物価高の最大の原因なのだが、こうして有事を迎えると、安い円がさらに安くなり、高くなっている物価がさらに上昇する。
高市総理は株価を最重視し、株価が上がるように円安を放置しているようにも見える。だが、こうした有事を受け、円安のままでは日本がいかに脆弱であるか、学んでくれないものだろうか。原油が高騰して物価高や景気減速が懸念されれば、膨らんだ株価などあっという間に弾けてしまうのだから。
原油が急騰しただけで、ガソリンの暫定税率を廃止した効果など消えてしまうし、食品の消費税率を2年にかぎってゼロにしたところで、その効果も得られないまま、財政や日本経済への負荷だけが残る。それに円安では、大災害にも対処できない。
3月15日で東日本大震災の発生から15年が経過したが、残念ながら日本では、今後も大地震をはじめとする災害が発生する危険性が常につきまとう。高市総理は5年間で約20兆円を投じ、「令和の国土強靭化」を強く推し進めるという。だが、いざ災害が発生したときに重要なのは、急いで復旧に取り組める国家の体力だが、円安のせいでなにからなにまでコスト高では、まともな復旧も覚束ない。しかも、以前は「有事の円買い」で大地震のたびに円が上昇したが、いまは逆で、2024年1月の能登半島地震後も円は急落した。
「有事の円買い」が望めない以上、こうした有事を機に円の「強靭化」をこそ意識して進めてほしい。円安のデメリットはたくさんありすぎて、ここには列挙しきれないが、少なくとも、今回のような原油の高騰の可能性まで考えるとなおさら、円安の是正を抜きに物価高対策、ひいては経済対策は進められないはずである。
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