原油高騰で値段が上がる「日本の食卓に欠かせない食品」とは 「安価を維持したいのですが…」 製造業者の悲痛な叫び
イランが誇る輸出農産品は、パエリアやリゾットに彩りを添えるサフランだという。それだけ聞くと家計への影響は限られるように思えるが、さにあらず。日用品から航空券まで――値上がりするモノは何か。
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「目に見えて価格が上がった商品はありませんが、原油価格が高騰を続ければ影響は避けられません」
と話すのは、都内にスーパーを展開する「アキダイ」社長の秋葉弘道氏だ。
「配送コストが上がれば、あらゆる商品の値段が高くなります。生鮮野菜なら輸入品が影響を受けやすい。例えばアボカドはメキシコで収穫されスペインに運んでから日本へ出荷されるので輸送コストが高い。またトレーやパックなどの資材も石油が原料なので、卵や納豆も値上がりする可能性があります」
「なんとか安価を維持したいのですが…」
実際、都内などで「納豆工房せんだい屋」を営む運営会社の代表・伊藤英文氏に聞くと、
「納豆は容器のみならず、中に入っている薄いフィルム、それに商品自体を包むパッケージなどが原油由来の原料を使っており、原油高騰は原料費に影響を与えます。また納豆を製造する過程で大豆を煮ますが、ウチでは灯油を使ってボイラーをたいているので製造コストも上がる。ガソリンの値段も上がれば配送コストも高くつきます」
今のところ値段は据え置かれているという。
「なんとか安価を維持したいのですが不安は尽きません。高いから買わなきゃいいという商品ではない。手軽に買えて栄養価も高い、日本の食卓に欠かせないスーパーフードだと思っていますから」(同)
欧州渡航のチケット代が……
有事が長期化すれば、5月のGWや夏休みに海外でバカンスを楽しみたい人たちへの影響も必至だ。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏によれば、
「3月は卒業旅行シーズンですが、予定の“変更”ならまだいい方で“中止”を余儀なくされる方も結構いると聞きます。日本人に人気の高い欧州への旅行は、ドバイなど中東で飛行機を乗り継ぐ人が多いのです。直行便なら往復25万~30万円ほどしますが、中東経由なら10万円台とお手軽な値段で購入できる。それがイラン攻撃で中東方面への便が欠航して安価な選択肢が失われました。しかも直行便は需要が高まったので席が取りづらくなっている。今後、燃料代も上がればさらにチケット代は高騰すると思います」
もうすぐ桜が咲く季節だというのに、われわれの懐は寒くなる一方なのである。


