「ミセス」が挑む、絶滅した「王道バラエティ」の復活 「SMAP×SMAP」の後継になれる理由

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音楽シーンの頂点

「ミセス」ことMrs. GREEN APPLEの冠番組「テレビ×ミセス」が、4月からTBSでレギュラー化されることが発表され、話題を呼んでいる。日本レコード大賞三連覇、「NHK紅白歌合戦」の大トリ、カラオケランキング席巻――日本の音楽シーンの頂点に君臨する超人気バンドが、なぜいまバラエティの舞台に本格参入することになったのか。最近では「オールドメディア」と揶揄されることもあるテレビと、時代の最先端を行くMrs. GREEN APPLEが手を組んだ理由は何なのか。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 ミセスは今の音楽シーンの中でも特別な存在である。多くのタイアップ曲やヒット曲のおかげで子供から年配層まで幅広い世代に支持されているからだ。若者に人気のアーティストはほかにもたくさんいるが、思わず口ずさみたくなるような馴染みやすい楽曲を数多くリリースしていて、子供にも大人にも根強い人気があるのは彼らだけだ。

 音楽界ではサブスクが浸透して、CDを買う文化が衰退したこともあり、幅広い層に刺さるようなヒット曲は生まれにくくなった。そんな時代の中で、ミセスだけは「国民的人気バンド」と呼んでも差し支えないほどの圧倒的な人気を誇っている。

 テレビ局が彼らを起用した理由の1つは、この支持層の広さにあると考えられる。ミセスが一部の熱心なファンにだけ強く刺さる存在だったとすれば、地上波のレギュラー番組を任されることはない。もともとテレビは不特定多数を対象とするメディアである。ミセスや彼らの音楽の特徴である「大衆性」は、地上波テレビに向いている。

 一方、音楽が本業であるはずの彼らは、なぜバラエティに進出することを決めたのか。ミセスの大森元貴は番組サイドに対して「テレビが大好き」と語り、「自分たちがテレビからもらってきたワクワクやドキドキを今度は届ける側になりたい」という主旨のことを話していたという。

 ここには大森の表現者としての資質がよく表れている。彼は内向きに閉じた表現を追求する孤高の芸術家タイプではなく、なるべく多くの人に作品を届けようとするポピュラー音楽家タイプである。

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