羽月逮捕、オンラインカジノ騒動…野球界で不祥事が相次ぐ理由 指導者が語った“閉ざされた世界”

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光が強い世界ほど影も濃くなる

 プロ野球選手を取り巻く環境が、不祥事の一因になっているという指摘もある。コーチ経験のある球界OBはこう語る。

「ある程度活躍した選手や将来有望な選手には、いろいろな人が近づいてきます。いわゆる“タニマチ”ですね。純粋に応援してくれる人がいる一方で、選手を利用しようとする人もいます。若い頃に食事などを奢って恩を売り、いざという時に頼みを断りづらくするわけです。学生時代に野球しかしてこず、世間をよく知らない選手は簡単に乗ってしまう。金銭面や人間関係のトラブルを抱えるケースも珍しくありません。最近はNPBや球団が入団時に研修を行っていますが、最終的には本人の問題でもあり、完全に防ぐのは難しい部分があります」

 DeNAの南場智子オーナーがルーキーに向けた講義で「いろんな誘惑があります。信じられないほど華やかな世界ですから」と語ったことも話題となった。成功すれば一般社会とはかけ離れた報酬を得られる一方、多くの誘惑に囲まれる環境が不祥事を生みやすい要因になっている可能性がある。

 もちろんスポーツ選手の不祥事は野球だけの問題ではない。昨年10月には日本サッカー協会の影山雅永技術委員長が児童ポルノ閲覧の容疑でフランス当局に拘束され、有罪判決を受けた。大学スポーツでも流通経済大サッカー部員の違法薬物使用、日本体育大レスリング部員の薬物問題などが報じられている。

 ただ、野球は特に注目度が高い競技である。それだけに問題が起きた時の社会の視線はより厳しくなる。

 光が強い世界ほど影も濃くなる――。そんな言葉を思い起こさせる出来事が、このオフの野球界では相次いだ。高校野球からプロまで、多くの子どもたちが憧れる存在であるだけに、球界全体でこうした問題をどう防いでいくのか。今あらためて、その姿勢が問われている。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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