井端監督が「すでに源田の次くらいに上手い」と評価する逸材も… 次世代を担う「4人の新星」

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「良い時のボールはもっと力がある」

 金丸は2年秋のこのシーズン、6勝0敗という見事な成績を残してチームの優勝に大きく貢献。MVPと最優秀投手のタイトルも獲得している。金丸自身にとって初の全国の舞台となった同年の明治神宮大会でも、強豪の東農大北海道オホーツクを相手に、7回を投げて被安打4、1失点、自責点0、8奪三振で勝利投手となった。

 金丸の勢いはその後もとどまることを知らず、3年春もシーズン終盤に右ひざを痛めて優勝は逃したものの、負けなしの3勝0敗。3年秋は登板した6試合全てで勝利投手となり、うち5試合で二桁奪三振という圧巻の投球でチームを優勝に導いた。3年秋までの通算成績を見てみると19勝2敗、防御率1・07という驚きの数字となっている。関西学生リーグは全国でも上位のレベルを誇り、その中でこれだけの成績を残せるというのは尋常ではない。最速153キロという数字が報道されることが多いが、本格派サウスポーでありながらコントロールも抜群で、1試合あたりの四死球の数が2個以下というのも高い評価に繋がっている。23年12月の大学日本代表候補合宿での紅白戦で、宗山と直接対決した時も、150キロ前後のストレートで三球三振に抑えて見せた。即戦力の投手が欲しい球団にとっては、まさに垂涎の存在と言えるだろう。そんな金丸に対しても、井端からは期待しているからこそ高い注文を求める言葉が聞かれた。

井端「2年の時に初めて見てから順調に成長しているのは嬉しいですね。一球見ただけでこれは凄いと言葉が出てこなかったのは、解説をしていても初めてでしたから。ただ12月の大学日本代表候補合宿の時はだいぶ流して投げていましたよね。宗山の打席は力を入れていましたけど、良い時のボールはもっと力があるはずです。実績も十分でアピールする必要がないということはありますが、大学生を抑えて満足してもらっては困るピッチャーだと思います。プロでも同じ年齢で、既に一軍で活躍している選手もいるわけですから。3月にそういう投手のピッチングを見るのもいい刺激になりますよね。コンディション的に問題なければ、欧州代表との2試合目で先発を任せたいと思っています」

 23年12月の代表合宿の紅白戦後に、筆者も金丸から話を聞くことができたが、リーグ戦でフル回転した疲れもあってか、本来の調子ではなかったと話していた。プロの長いシーズンを戦うためには、さらに高いレベルでのコンディショニング能力が求められることになるだろう。また井端の話すように欧州代表戦のメンバーには、金丸と同学年で、昨年パ・リーグの新人王に輝いた山下舜平大(オリックス)、アジアプロ野球チャンピオンシップで好投を見せた根本悠楓(日本ハム)の2人も選ばれている。先にプロの舞台で結果を残している彼らからも多くを学び、金丸がさらに凄みを増すことも期待できそうだ。

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 金丸は今回のWBCで代表入りを果たし、チェコ戦で圧巻のデビューを飾った。今後の活躍に期待できそうだ。

※本記事は、井端弘和・西尾典文著『日本野球の現在地、そして未来』(東京ニュース通信社)の一部を再編集して作成したものです。

後編】では、井端監督が見る西川と中村について詳述する。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABB-lab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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