「リブート」が冬ドラマで断トツ高視聴率の理由 「日曜劇場」を支える豪華制作陣と別格の制作費
別格の制作費
第6回までの個人視聴率の平均値は7.1%(世帯11.1%)。冬ドラマの中でトップである。2位のテレビ朝日「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」(放送終了)の第7回までが同4.9%(同7.6%)だから、断トツだ。
どうして強いのかというと、まず制作費が違う。通常、プライム帯(午後7~同11時)の1時間ドラマの制作費は1本約3000万円。そこから出演者のギャラ、脚本料、技術費、美術費などを捻出する。
CMが簡単には取れない今、低視聴率にあえぐ局は2500万円以下でドラマをつくることもある。会社規模とネット局数が違うテレビ東京も同等程度の制作費でつくる。
一方、「日曜劇場」の制作費は1本推定4000万円もある。だから他局より出演陣を豪華にして、脚本や映像を凝ることも可能。ただし、これは同枠に実績があるから。高視聴率ドラマを生み続けているため、ほかのドラマより高いスポンサー料を得られている。
スポンサーは花王、サントリー、SUBARU、日本生命の4社。この体制は2018年から変わっていない。どこかが抜けたらスポンサーになりたいとTBSに伝えている企業もあるという。スポンサーを得るのに苦労しているドラマが少なくないことを考えると、驚異的だ。
「リブート」は通常の制作費4000万円を大幅に超え、6000万円以上使っていると、他局や芸能プロダクションは見ている。確かに豪華出演陣や映像の仕上げ方を考えると、ほかのドラマの平均的な制作費の2倍使っていても不思議ではない。
スポンサーからの収入で足りない2000万円は系列の配信動画・U-NEXTなどから得ているのだろう。人気作品だから、動画の再生数も高い。持ち出した分はすぐに回収できる。
制作費があるから主演級が8人以上出演している。鈴木、戸田、リブート前の早瀬役の松山ケンイチ(41)。北村、警視庁観察官の伊藤英明(50)たちも主演経験者だ。
ほかのドラマとの映像の違いはカット数を見ていると、すぐに分かる。カットとは同じ構図の映像のこと。早瀬のアップが一果のアップに変わったら、2カットである。通常のドラマは350~400カット。「リブート」はめまぐるしく構図を変えており、500カット前後ある。
カット数が増えるほど映像の臨場感や緊迫感が増す。ホームビデオで撮影した映像に臨場感がないのはカット数が極端に少ないからである。ただし、カット数を増やそうとすると、撮影や編集の手間がかかる。費用が嵩む。
低制作費ドラマはロケ地の数やセットの質で分かる。ロケ地が増えると、機材の運搬費や場所の借用代が嵩むので、なるべく限られた場所で撮る。セットも安普請にせざるを得ない。無論、カット数も少なくなる。
制作陣も充実
「日曜劇場」は制作陣のスキルも高い。「ドラマのTBS」のエースが集まっている上、2023年からTBSスパークルも制作陣に加わった。ドラマ界の名門・木下恵介プロダクションの流れを汲む会社だ。
同社は「海に眠るダイヤモンド」(2024年)や「ザ・ロイヤルファミリー」(2025年)などを制作し、実力を見せつけた。現在の同社社長は石丸彰彦氏(51)。「JIN-仁-」(2009年)などのヒットドラマの数々をプロデュースした人である。
「日曜劇場」は昨年の冬ドラマ「御上先生」、同春ドラマ「キャスター」、同夏ドラマ「19番目のカルテ」、同秋ドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」が全て季節ごとのトップだった。「リブート」のトップも確実だ。
4月から始まる「日曜劇場」の春ドラマ「GIFT」も強そう。題材は車椅子ラグビー。堤真一(61)が主演し、山田裕貴(35)、有村架純(33)、安田顕(52)らが助演する。NHK連続テレビ小説「ばけばけ」のサワ役で人気を得た円井わん(28)も出る。
目下のところ、「日曜劇場」に死角は見当たらない。
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