トランプ氏「暴走老人化」が止まらない 「自己顕示欲」を満たすイラン攻撃に国民43%が「ノー」、共和党内の求心力にも陰り
今年80歳、バイデン氏批判がブーメランに
ニューヨーク連銀が昨年第4四半期の米国の家計債務総額は18兆7800億ドル(約2900兆円)と過去最高となり、住宅ローンや学生ローンで延滞の増加傾向が目立っているとの調査結果を示したように、米国民の懐事情は厳しくなる一方だ。
トランプ氏の浮世離れした現状認識を聞くにつけ、リーダーとしての資質に問題があるのではないかと思えてならない。米国民もトランプ氏の執政能力に疑問を投げかけ始めている。
ロイターなどが24日に発表した世論調査で、61%がトランプ氏は加齢に伴い不安定になっていると回答した。与党・共和党の支持層の3割も同様の見方を示した。
今年6月に80歳を迎えるトランプ氏は、任期終了時に歴代大統領の高齢記録を更新する見通しだ。トランプ氏はバイデン前大統領の年齢や判断力の衰えをさかんに攻撃していたが、皮肉にも今度は、批判の矛先が自身に向けられている形となった。
米国の大統領が2代続けて「加齢による判断力の低下」を危惧される現状は、国際社会にとってマイナス以外の何ものでもない。
あふれ出る自己顕示欲
一般的には、年を重ねると老化への不安から自己顕示欲が強くなると言われる。この傾向が顕著なのはトランプ氏だ。
共和党が主導するフロリダ州議会は2月20日、パームビーチ国際空港をドナルド・J・トランプ大統領国際空港に改称する法案を可決した。同空港はトランプ氏の私邸マール・ア・ラーゴからわずか数分の距離にある。
世界中の建物に自身の名前を冠してきた不動産王トランプ氏は、前例のない規模で米国に自身の足跡を残そうとしている。
トランプ氏が理事として側近を送り込んだ首都ワシントンの総合文化施設「ジョン・F・ケネディ舞台芸術センター」では、昨年12月に「ドナルド・J・トランプ・アンド・ジョン・F・ケネディ舞台芸術センター」への名称変更が決定した。国務省も同月、「米平和研究所」を「ドナルド・J・トランプ平和研究所」に改めた。
イラン攻撃も、トランプ氏の自己顕示欲を満たすことが本当の理由だったと考えれば合点がいく。50年近く米国と対立してきたイラン・イスラム体制を崩壊させれば、間違いなくトランプ氏の名は後世に語り継がれることになるからだ。
共和党内での求心力も赤信号
だが、あまりにも危険な賭けだ。
ロイターは3月2日、イラン攻撃は11月の中間選挙に向けた政治リスクになると、側近がトランプ氏に警告していたことを報じた。有権者が生活難にあえいでいる最中の大規模な軍事作戦は、議会で共和党の多数派維持を阻害するのではないかという見方だ。
暴走老人ぶりが災いして、トランプ氏の共和党内での求心力も落ちているようだ。
2月中旬、ケンタッキー州選出の共和党下院議員トーマス・マッシー氏は、共和党の予備選が集中する3~5月を過ぎれば、中間選挙に出馬する意向の議員からも離反する動きが顕著になるとの見解を示した。中間選挙を戦う前に、共和党内で内紛が起きる可能性も排除できなくなっているのだ。
悩める超大国の今後の動向について、引き続き高い関心を持って注視すべきだ。






