東京都は34位 「経済的に豊かな都道府県」トップに輝いた意外な自治体

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可処分所得は東京都が1位

 給料は高い方がいいに決まっているが、生活に余裕があることとイコールではない。2月3日、国土交通省から、それを示すデータが明らかにされた。

〈都道府県別の経済的豊かさ〉である。

 これは、各自治体別に住民が毎月稼ぐお金と、そこから諸コストを差し引いて手元に残るお金を試算したものだ。実際、東京から地方に行くと、現地の住民の方がゆとりのある暮らしを送っていたりする。それを数字にして見せたものだ。

 データはまず、全国47都道府県の、世帯あたりの可処分所得(税金や社会保障費を除いたもの)を提示している。最高額は東京都(55万2575円)。大企業が集まっているのだから当然ともいえるが、これが必ずしもリッチではないことも同時に示されている。

 それによると可処分所得から「基礎支出」を引くと、東京は16位まで落ち、代わって岐阜県がトップになる。基礎支出とは、食料費と家賃(持ち家の場合は同程度の賃貸物件の家賃)、さらに光熱水道費を合わせたもので、生活していればどうしても出ていくコストだ。東京の住宅価格の高騰を考えるとこの順位は分からなくもないが、データは、さらにここから「通勤の機会費用」を差し引いている。すると、新たな自治体が浮かび上がってくるのだ。

 通勤の機会費用とは、通勤に費やした時間を別の生産的活動に充てた場合に得られたはずの価値だ。これらを引いて手元に残った額を上から並べると、全国でもっとも「経済的に豊かな自治体」は岩手県(月額30万6817円)になるのだという。

 ちなみに東京都は34位で22万2264円。岡山県や兵庫県より下だ。最下位は神奈川県(17万4033円)となり、岩手とは2倍近い差が開いてしまう。

“豊かさ”を新たな視点で

 国土交通省に聞いた。

「この資料は国土審議会推進部会という会議に提出しているもので、2014年から5年に1度作成しています。元データは総務省の『家計構造調査』を使い、それを加工したものですが、豊かさとは、見た目の給料の多寡ではなく、別の視点もあるということを知ってもらうために作ったのです」(国土政策局の担当者)

 岩手県庁にも聞いてみると、反応はまさに「じぇじぇじぇ!」。

「そんなランキングがあったなんて初めて知りました。たしかに岩手はトヨタや半導体の工場など、(待遇面で東京と遜色がない)大手の勤め先があります。もちろん、家も東京よりは安いし、通勤は、やっぱりマイカーで十数分という人が多いですかね」(広報担当者)

 宮沢賢治をして「イーハトーブ」(理想郷)と呼ばしめた岩手。

 都会で消耗している人からすれば、ちょっとうらやましいデータでもある。

週刊新潮 2026年2月26日・3月5日号掲載

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