AI失業について「ChatGPT」に質問すると…日本では4年後までに“700万人が失業”と衝撃回答 “消滅危機”と名指しされた“さむらい業”の具体名とは
“エリート”が失職する可能性
「大量処理」なら、例えばクマを駆除した自治体に無礼な抗議電話が殺到した時などは、まさにAIの出番だろう。人間の自治体職員なら対応に忙殺されて疲弊し、精神的に追い詰められても不思議ではない。だがAIなら、たとえ1億人から罵声を浴びせられても淡々と処理するはずだ。
そして税理士、会計士、行政書士、司法書士といった「さむらい業」であっても「定型・ルール・大量処理」の判断基準から「AIと置き換えが可能」判断したのだという。
こうした職業は国家試験に合格した人しか携われず、高い能力の持ち主というイメージが今も根強い。知的エリートが担う高度な仕事と思われており、それは人間の尺度だけなら確かにその通りなのだ。
だが帳簿の作成やチェック、各種書類の作成といった業務は、まさにAIにとっては「定型的であり、ルール化が可能」な仕事だろう。おまけにAIなら大量の業務を極めて早く処理してしまう。人間の「さむらい」が敵うところではない。
依頼主に対するアドバイスも重要な業務だが、ある程度であれば雑談を交えながら自動音声で難なくこなしてしまうのは前に見た通りだ。
これだけでもAIは我々人間にとっては充分な脅威だと言える。ところが駒澤大学経済学部准教授で経済学者の井上智洋氏は「ChatGPTの回答は集合知的というか、現在のネット上で流布している言説を中心にまとめたものだということに注意が必要でしょう」と指摘する。
全人類が失業
井上准教授は大学でコンピュータ・サイエンスを専攻し、AIに関するゼミに所属していた。その後、マクロ経済学を専門とする経済学者に“転身”したのだが、AIと経済学の豊富な知見を活かして『AI失業 生成AIは私たちの仕事をどう奪うのか?』(SB新書)、『人工知能と経済の未来』(文春新書)などの話題作を次々に上梓している。
「AIが人間の雇用に悪影響を及ぼすのは間違いありません。しかしながら、それは『ホワイトカラーの仕事はAIに置き換えられてしまうので失業者は増加するが、ブルーカラーなら雇用は維持される』といった限定的なレベルではありません。『肉体労働も含めて多くの人間の生産活動がAIとそれを組み込んだロボットによって自動化され、経営幹部など少数の人間を除くと、全人類が失業する』という世界が確実に到来します。私たちは今すぐ、失業に備えて準備を始める必要があるのです」(同・井上准教授)
第2回【みずほFG「5000人削減」の衝撃 企業に必要な人間は「トップと役員、少数の営業担当ぐらい」…AIの爆発的な進化がもたらす「人類総“無職”時代」のリアルを気鋭の経済学者が解説】では、全人類が失業した未来社会で、果たして私たちはどうやって生きていけばいいのか、そして人類は何にアイデンティティを見出すのか、という極めて根本的で重要な問題について詳しくお伝えする──。
註:大学入学共通テスト、OpenAIは9科目満点 得点率97%でGoogleに勝利(日本経済新聞電子版:1月20日)
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