“高市旋風”を生んだ「若者の右傾化」でも「排外主義の高まり」でもない“理由”…リベラルが読み違えた「ルールを守らない外国人は出ていってもらう」発言の影響とは
有権者が歓迎した「ルール」
一部のメディアや専門家は「学校教育の影響もあり、リベラルだと自認している10代から30代の有権者は少なくない。ところが今回の衆院選で彼らは『保守政党』の自民党に投票した」ことに注目した。
「出口調査などのデータを元に『若者の保守化』や『外国人に対する排斥主義が高まっている』と懸念するメディアもありました。しかし、その分析は少し違うと私は思っています。というのも、今回の衆院選で高市氏は『日本で働きたいという外国人は受け入れる。ただし、ルールを守らない人は出ていってもらう』と説明したからです。『外国人は一人も受け入れない』とか『外国人は一人残らず出て行け』ならば紛れもない排斥主義ですが、『来る者は拒まず、ルールは守ってもらう』という主張ですから門戸は開かれています。リベラル的な価値観と、それほど齟齬があるとは言えないのです」(同・三牧教授)
中道は外国人との共生を前面に押しだしたが、それでは「無条件の共生」ではないのかとリベラル派の有権者でも不安視した。一方、高市氏が示した「ルールを守るか否か」は現実的な基準としてリベラル派の有権者にも受け入れられた。今の若者は「ルール」を重視するという指摘もあった。
日中関係に悪影響?
“対中強硬派”としての姿勢を明確にすると有権者の支持を得られる──このような手応えを高市氏が掴んだのは、昨年10月に高市氏が習氏と会談を行った際の世論の反応だった可能性があるという。
「高市氏は訪問先の韓国・慶州で、中国の習近平国家主席と就任後初めて会談しました。その際、高市氏が南シナ海における行動や、香港や新疆ウイグル自治区の人権問題に関して深刻な懸念を伝えたと報じられています。高市氏の『中国に対しては言うべきことは言う』の姿勢を有権者は評価し、内閣支持率の高止りにつながりました。中国に対しては安易な妥協をしないほうが有権者の支持が得られると最初に掴んだのは、この時だったのではないでしょうか」(同・三牧教授)
だが三牧教授は高市氏の“対中強硬路線”に強い懸念を持っている。重要な問題の一つに「米中関係を良好に保ちたいとするドナルド・トランプ大統領の方針と齟齬を生じ、日米関係に悪影響を及ぼす可能性」がある。
第3回【高市政権を待ち受ける“対中強硬路線”の代償…“レアアース危機”が国民生活を直撃しても“強気”を貫けるか】では、レアアースの実質的な輸出規制が日本経済に及ぼす悪影響や、「習近平氏のことが大好き」なトランプ大統領がどういう対中関係を構築するのかという点について詳細に報じている──。
註:【報ステ全文】解散の大義は?経済成長は?日本外交は?7党の党首生出演(テレ朝NEWS:1月26日
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