「りくりゅうペアにCMオファー殺到」は本当か? 広告業界が“ウインタースポーツ”選手のCM起用に消極的になる“意外な理由”
懸念される「解散という可能性」
あくまで広告業界の論理で恐縮だが、野球やサッカーの選手とはやはり“扱い方”が違ってくる。また、多くの競技が冬季限定のアマチュアスポーツなので、テレビの中継やニュースに登場する頻度が低い。シーズン中はほぼ毎日報道される大谷翔平選手など、打席のたびに画面にスポンサー企業が映ったりする。こうした副次効果があまり期待できないと捉えられてしまうのだ。
これから選手と契約し、CMが完成しても、実際の放送は春以降。さらに、競技で活躍する姿を見られるのは今年の晩秋以降となる。それまで話題性を維持するのはかなり難しい。3月以降のスポーツ報道はWBC一色になることが予想され、その後は春のセンバツ高校野球、MLBとNPB開幕、そして6月にはサッカーW杯が控えている。
また、「ペア競技」の難しさもある。さすがにりくりゅうペアの絆はレベルが違うものの、バドミントンのダブルスのペアが解散する様を広告主は見てきた。二人同時に起用したとして、ペアを解消したらどうするか……、といった懸念が捨てきれないのだ。もちろん、そうした点も契約を結ぶ際に話し合われるだろうが、アスリートはペアの関係性がパフォーマンスに直結する。「CM契約があるからペアを解消できない」なんてことは本末転倒。現役としての期間が限られているアスリートに無駄な時間など存在しない。
そして、男女ペアあるあるなのだが、とにかくネットではフィギュアやアイスダンス、テニスやバドミントンの混合ダブルスの話題になると「この二人は付き合っているのか?」という、競技とは関係のない話題で盛り上がる。これが商品の評判を気にする広告主にとっては懸念材料になるのだ。
というわけで、好感度が高くルックスの良いアスリートが活躍をするとすぐに「CMオファー殺到か!」となるが、報道する側もあまり煽らないほうがいいのでは。当事者が互いに大人のビジネスをすればいいだけの話だろう。
ちなみに付け加えると、この手の記事に登場する「推定CMギャラ」は大体適当である。CMのギャラは「時価」のようなもので、適宜変化する。すべては事務所の判断次第であり、明確な金額を知っているのは広告主とキャスティング会社と広告会社のキャスティング部門だけである。





