「性交渉が原因」「自業自得」予見された“誹謗中傷” それでも、井口綾子が病名公表に踏み切ったワケ
「まずは検診に行ってほしい」
それでも井口は、発信する手段を持っているなら発信したほうがいいと思ったという。
「婦人科系の検診はおっくうで後回しにしがちだが、まずは検診に行ってほしい。検診に行かずに過ごしていたら、がん化して手術もできない状況になっている人も身近にいました。悲しい気持ちになる女性が少しでも減ったらうれしいなと思っています」
公表後、やはりSNSには「自業自得だ」などのコメントが寄せられた。
「伝えたいのは、HPVは、性交渉を経験したことがあれば誰でも感染する可能性があるということなんです。私自身、誠実に生きてきましたが、それでも病気にはなる。そういった正しい知識がないために偏見が生まれ、それが検診へのハードルを上げていると思っています」
そうした説明をしても誹謗中傷は寄せられる。
「そういうことを言う人はゼロにはならないと思っているので、少しでも多くの人に正しい知識が届けられれば。私が発信を続けることで、いつか心無い言葉を投げる人に対して、周囲が『この人は知識がないんだな、かわいそうだな』と受け流せるような社会になってほしいと思っています」
一方で、公表によって得られた反響は大きな支えとなった。
同じ手術を経験し、その後無事に出産した女性からの励ましや、「井口さんの投稿を見て検診に行きました」という報告が届いたのだ。
「『ちょうど今日、中等度と診断されましたが、この投稿を見て勇気をもらえました』というメッセージを頂いたこともあります。私はそういう方に届けたかったので、届けたい人に届いたのはすごくうれしかったですね」
正しい情報を発信し続けること。それが、自らの経験に基づいた新たな使命だと思っている。
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第1回【「出産できなくなるかも…」20代で下した手術の決断 将来のリスクを抱えても守りたかった“自分の未来”】では、井口が自身の病気や手術について語っている。
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