侍ジャパンのメンバーが次々離脱…日本球界が抱える構造的な“問題点”
プロ野球の春季キャンプは終盤を迎え、実戦に関する話題が多くなってきたが、ファンにとって気がかりなのが、怪我人の情報だ。3月に開幕するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の侍ジャパンに選ばれていた平良海馬(西武)は左ふくらはぎの肉離れ、石井大智(阪神)は左アキレス腱損傷で出場を辞退した。侍ジャパンのメンバーではないが、このほかにも山田哲人(ヤクルト・左内腹斜筋肉離れ)や頓宮裕真(オリックス・右膝後十字靭帯損傷)ら、主力選手の離脱が目立っている。【西尾典文/野球ライター】
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オフの間に鍛えても…
この時期に故障者が相次ぐ要因にはどんなものがあるのだろうか。ある球団の関係者は、以下のように話す。
「一つ大きいのは、オフの過ごし方ですね。前年に活躍した選手はメディア対応が多くなり、練習時間が十分にとれない。加えて、キャンプでの注目度が高くなって、知らず知らずのうちに力が入ってしまうこともある。初めて一軍で成績を残したような選手は、特にそういうことが多いです。それとキャンプのやり方が変わってきています。どの球団も、実戦形式の練習を行う時期が前倒しになっていますし、レギュラーの選手は早々に練習試合に出場しています。だからこそ、よりオフの過ごし方が重要になってきているのではないでしょうか」
昔は12月、1月のオフの期間はほとんど体を動かさず、大幅なウエイトオーバーでキャンプインした選手が多かった。近年、そのような例は、ほとんど見られない。オフの間にも個人でトレーナーと契約してトレーニングに取り組む選手が増えている。
その一方で、オフの間に練習量が多ければ多いほど良いものでもないという。特に一見、“充実したオフ”を過ごしたように見える選手にも思わぬ「落とし穴」があるそうだ。コーチ経験もある球界OBは、こう警鐘を鳴らす。
「最近はフィジカル重視で、オフの間にかなり鍛えて体を大きくする選手が増えていますね。それ自体は悪いことではありません。ただ、その大きくなった体、増えた筋肉をしっかり使いこなすところまで目が向いていない。体が大きくなったことで、以前と同じような動きができずに、怪我に繋がってしまう。パフォーマンスを上げることだけでなく、怪我を防ぐためのトレーニングにもう少し目を向けるべきだと思います」
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