高市首相の「3万円カタログギフト」は意外と周到な計算のもと実行されていた
カタログギフトを選択した理由
今回の「ギフト」については、「なぜ今わざわざこんなことをするのか」といった声は党内からも聞こえてくるものの、高市氏側としてはそれなりの計算をしたうえで実行したようである。以下、その計算の中味を見てみよう。
まず、高市氏側が「ねぎらい」のためになぜ3万円のカタログギフトを配る選択をしたのか、という点。
「当選後に“ご苦労様”“お祝い”のために何らかのギフト、プレゼント、おもてなしをするという風習が永田町にはあるというのが基本ですね。ただ、全員に配ったのは異例のことです。衆院選での圧倒的な勝利を受けて高市氏が高揚感に浸っており、その流れの中で配布したといった指摘もあるようですが、そうではありません。与野党問わず割と行われていることで、逆に何も送らない場合、それはそれで“どうなんだ?”などといった不満の声があがっていたかもしれない。昨年3月に当時の石破茂首相が衆議院1期生に10万円分の商品券を配ったことがわかり、批判されました。商品券は現金や有価証券などと同様に“金銭等”に当たるため、高市氏側に商品券を配布するプランは元々ありませんでした」
と、政治部デスク。
“断然、胡蝶蘭が良かった”
「石破氏に集まった批判の中には“10万円という金額は世間一般の常識からかけ離れている”といったものもありました。そのため、今回何かをするなら“10万円より低い金額にしなければならない”という軸もありました。ただ、金額を決めるのは悩ましかったようですね。あくまでも推測ですが、5000円だとケチだと言われるし5万円なら石破氏同様に“世間の常識が~”という批判があるかもしれないと見て3万円台を選択したのではないかと見ています」(同)
高市氏はXで夕食会についても言及していたが、全員と夕食会というのは不可能で、そもそもそれは高市氏はやりたくなかったとされる。
「定番とされる胡蝶蘭なら騒ぎにならなかったのではないかとの声も聞こえてきますが、すでにどこかの誰かから受け取っている可能性も高く外されたのかもしれないと聞きました。ある国会議員に聞くと“断然、胡蝶蘭が良かった。いくつあっても困らない”と言う人もいましたが(笑)」(同)
具体的な商品を選んで送ってしまうと、もらう側の好き嫌いもあってせっかくのギフトがムダになってしまうかもしれない。自由に選択できるカタログギフトに落ち着いたのは自然な流れだったようだ。
ネチネチやるのかも
「もちろんカタログギフトならば法的に問題ないという点も高市氏側は複数個所に確認しています」(同)
果たしてカタログギフトで手にできる商品がどのように政治活動に生かせるのかはわからないのだが――。
中道改革連合の小川淳也代表はこの件について「ギフトを党内にばら撒くこと自体の倫理観、金銭感覚、古い自民党の体質、こうしたものを看過するわけにはいかない」とした一方、「法案や予算の審議にこのようなテーマをめり込ませることは必ずしも本意ではない」とも述べ、政治倫理審査会の開催を求めるなどの方向性を示唆した。
「予算審議でこの問題をネチネチやるのかもしれないと官邸は見ていましたが、小川氏はあまり効果的ではないと判断したようですね。同じとは言わないまでも野党側もギフトくらいは普通に送っているでしょうから、似たような例が身内から出てくる可能性もある。そのため“スジ悪案件”と見なした可能性もあります。違法性を問いづらいとなると、予算委員会で延々と扱った場合、反発を買いかねないですし」(同)
法的な責任は問われないと見られるが、カタログギフトと聞いて「高級和牛」「タラバガニ」「国産うなぎ」等々をイメージして、物価高の折、うらやましく思った国民も少なくないだろう。その手の国民感情を意に介す必要がないというのもまた数の力ゆえだろうか。
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